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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■赤福とお福




 オレの母親の好物は伊勢神宮の名物である「赤福」だ。伊勢に行くと必ずお土産で買うことにしている。また、あべのハルカスにある近鉄百貨店でも販売されてるので、たまに買って帰ることにしている。価格は8個入りで900円ほどである。

 さて、オレが比較的家に近い北花田にあるイオンモールで、ユニクロやGUに寄るついでにイオンの食品売り場に立ち寄ったところ、赤福によく似た包み紙の「お福餅」という商品が販売されていた。価格は赤福8個入りと同じサイズの箱が640円とかなり安い。それでオレはその「お福餅」を試しに買ってみたのである。

 帰宅して、箱を開封すると中味はまさしく「赤福そっくり」である。そこでオレはその中味を2つお皿に載せ、フォークも添えて母に「赤福買ってきたで」と言って出したのである。母は何の疑問も抱かずにそれを「赤福」と思って食べたのである。

 同時に食べ比べたら両者の味の違いは明らかだろう。赤福の方が白い餅部分が大きかったような気もする。そしてどちらもそれなりにおいしいのである。オレはお福餅をかなり気に入った。何よりもコスパがいい。

 この両者はどちらかがパクリなんてものではなく、昔は伊勢神宮周辺では同様のこしあんに包まれた餅を販売する店が多数存在したらしい。その中でたまたま生き残ったのが両店であり、お福餅の方も100年以上の伝統がある老舗のお店なのである。

ホンモノと類似商品、できればホンモノを食べたいが、かといって類似商品でも同程度に美味しかったら何の問題もない。しかも安いのならもう最高である。このような組み合わせの関係にある商品というのは数多く存在するのではないだろうか。その時に「パクりだああああ」と声を上げる人もいれば「いいんじゃない」とスルーされる方もあるだろう。オレはどちらかというと守り続けてきた伝統をこれからも伝えていって欲しいと思う側なので、X上では「パクりはよくない」という主張をしておきたい。

 しかしながら、よく出来た偽物というのはとても役に立つのである。だからオレはこの「お福餅」を時々イオンで購入して母に「赤福買ったよ」とお土産にすることに決めたのである。高齢の母にとって、時々大好物が食べられることはこの上なく幸福なことであり、しかもそれが近所のイオンモールで買えるということは息子のオレにとってもとても都合がいいことなのである。
 イオンモールで手軽に買える「お福餅」、赤福ファンの方はぜひ試してみればいいと思うのである。


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06月17日(月)
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