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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■カッコよさと実用性




 オレはカッコいいクルマに乗りたかった。4ドアセダンではなく2ドアクーペ、それをマニュアルシフトで操作することが「カッコいい乗り方」だと思ってきた。その結果としてオレは三菱FTOに15年間、その後もホンダS660に4年3ヶ月乗ることになったのである。長いことオレはMT車乗りだったわけである。

 先日、レンタカーでコペンGRスポーツを運転することがあった。嵐山高雄パークウェイや山中越えを走って、MT車でしか味わえない「運転する快楽」を味わったのである。しかし、翌日のオレを襲ったのは左足の筋肉痛だった。鈍い痛みは今も残っている。たった半日、150キロほどを走っただけである。それでこんなに肉体にダメージがくるのである。腰も痛くなった。乗車姿勢がよくなかったのかも知れないが、それにしてもオレの肉体はもはや「イージードライブ」にしか適応できないということが証明されたようなものである。投資で儲かったゼニで「セカンドカーとしてポルシェを買おう」なんて野望はものの見事に砕け散ったのである。 

 カッコよさと実用性、この二つは基本的に両立しない。たとえば細い靴はカッコいいが足が痛くなる。最近オレはスーツを着るときもスニーカーを履いている。ニューバランス363というスニーカーが快適なのでそれをいつも履いているのである。おかげで全然足が疲れないし、歩くことが全く苦にならないのである。もしも普通のビジネスシューズの革靴を履いていればそんな爽やかな気分にはなれなかっただろう。しかし、このスニーカーはスーツには全く合わないのである。

 実質を取るか見た目を取るか、これは永遠の課題である。見た目の美しい女性をパートナーに選んだけれど、確かに容姿は美しいが中味はただの馬鹿だったというのはよくある話である。オレがよく教え子達に言うことは「頭のいい女性と結婚しろ。容色は加齢と共に衰えるが、頭はさらによくなることもある。子どもの能力にも母親の賢さは遺伝する。」という真実である。もちろん「才色兼備」ということが一番なのは言うまでもないし、菊川怜さんとか河野ゆかりさんとかのような女性は最高である。

 カッコよさを諦めたオレのクルマ選びは、これからは実用本位で運転しやすさとか快適性、そしてナビの視認性といった方向に進むのだろう。かつてはSUVなんか選択肢にも入れてなかったわけだが、今はその運転しやすさや取り回しの良さに感動している。そしてできることならもっと小さなSUVが増えて欲しいと思っている。ランクルとか絶対に車庫に入らないからである。シャッターの閉まる車庫で厳重に守らないと、ランクルは100%盗難されるとオレは思っている。通勤時にランクルを道路から見える場所に駐めてる家を見ると、あんな高価なものをそこらによく置いとけるものだとあきれるのである、 時計もGショックで十分だ。ロレックスとかオレはいらないのである。服もユニクロやGUや無印良品で十分だ。靴下とかトランクスとか、消耗品は安物で十分であるし、それなりの快適さはちゃんと満たしている。

 BMWやアウディにはどんなよさがあるのか運転したことのないオレにはわからないし、ロレックスをつければ女性にモテるのかも知れないが、キャバクラに行かないオッサンにはその必要もない。クルマでナンパするわけでもないので高級車は不要だし、乗り降りするだけで腰が痛くなるようなスポーツカーは実際のところ不便である。そういうわけでオレは贅沢とは無縁の生活を送ってきたしこれからもそうなのだろう。唯一オレが贅沢したいとすればそれは食生活なんだが、大阪には安くておいしいものがたくさんあるのでそれも満たされているのである。


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02月15日(木)
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