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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■京都新聞終了のお知らせ


 京都市長選挙は明日が投票日である。実はこの京都市長選挙で2020年の1月26日付京都新聞にはなんと全面広告で「大切な京都に共産党の市長はNO」と書かれていたのである。かつてこの広告を出していたのは自民党、公明党などの勢力である。ちなみに今回の選挙で自民が推薦している松井孝治というのは元官僚で、内閣人事局の創設に関わって安倍政権のポチとして働き、官僚を政治家がコントロールして自由に動かすという現在のしくみを作ることに大いに貢献したクソ野郎であり、赤木さんが追い詰められて自殺した遠因を作った人であるということも付記しておきたい。また「素手でのトイレ掃除」を推奨し、自分も実践するというおかしな精神論に凝り固まった壺野郎なので、握手を求められれば避けるべきである。素手でトイレ掃除しているオッサンとは握手なんかしたくないのである。

 新聞社はどんな広告でも載せていいのか。これに関しては「しょせん新聞なんてその程度のヤカラである」ということを思う人もいるだろう。今はどうか知らないが、かつて報知新聞は売春勧誘組織の3行広告を掲載していた。オレはそれを見て「これって売春防止法違反に該当しないのか?」と不思議に思ったのである。

 もう20年くらい前のことだが、大勢の被害者を出したSPF(スイスプライベートファンド)事件では、被害者の多くが読売新聞や毎日新聞に掲載された「年利7%」という全面広告を信じて退職金や貯金を騙し取られた。広告主がどんな組織なのか、あるいは電通などの広告会社が間でどれだけ中抜きしたのかはわからない。ただ確かなのは詐欺収益の中から新聞社や広告屋が手数料として利益を得ていたことである。こんな不正義を許していいのかとオレはその時に憤りを覚えたのである。SPF事件では政治家の関与も疑われ、詐欺収益の一部は暴力団や自民党議員に流れたとオレは臆測している。

 新聞というメディアはもうオワコンである。クソみたいな記事しか書けず、政権政党の悪をろくに追求もできない。今や日本に残されたまともな報道機関は週刊文春くらいであある。政権与党に忖度した記事ばかりで何が社会の木鐸なんだろうか。どこに公器としての誇りがあるだろうか。オレが朝日新聞の主筆だったなら、他の新聞とは一線を画して堂々と与党の悪を叩き、「こんな連中が政権を担っていいのか」と書いただろう。新聞が発行部数を減らし、詐欺会社のクソ広告や不動産収入をあてにしなければならなくなったその遠因は、まともな報道をしなかったからである。

 テレビや新聞には力がある。国民を日中戦争、太平洋戦争に向かわせたのは当時の新聞が「暴支膺懲(暴虐な志那を懲らしめる)」というキャンペーンを打ったからではないか。戦局悪化を国民に伝えずに、事実ではない大本営発表を掲載し続けたからではないのか。そんな過去に対する何の反省もなく、忖度記事、翼賛記事を書き続けるメディアにはオレは怒りしか感じない。

 京都市民はいますぐに京都新聞の購読をやめるか、あるいは新聞社に抗議の電話を掛けるべきである。そして日本共産党は党としてこの広告に対する抗議をすべきである。どうして「共産党」「共産主義」が人を攻撃することばとなるのか。これはヘイトスピーチそのものではないか。戦時中に治安維持法違反で逮捕され、拷問の末に殺された小林多喜二の悲劇を知るならば、そこから少しも進歩していない民衆のレベルを悲しむべきである。どうして「あいつは共産党」というのが人を蔑む言葉になるのか。


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02月03日(土)
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