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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■2023年最後の夢の話
不思議な夢を見た。
オレは夢の中で小学校の校長となっていた。堺市立の小学校のようである。そこにオレは新任の校長として赴任してきたことになっていた。先生方はあまりオレと目を合わせようとはしなかった。全校生徒の前で赴任の挨拶をすることとなって、オレは朝礼台に上がって話をした。そこでオレは自分が「長」と付く役割にいかにふさわしくないかという話をした。これまでにやったことのある「長」は小学校の時の「班長」くらいで、それがなぜか「校長」となったことにすごく戸惑っていると。
挨拶を終えて、それから学校の中を見回った。めんどくさそうに説明してくれる若い男性教員を伴ってオレはあちこち確認した。学校はかなり荒廃していて、修理しないといけないところが多かった。壊れたまま放置されているトイレ、ドア、体育用具などがたくさん目についた。
グランドをずっと歩いていると突然異臭が漂ってきて、ふとその校舎を見上げるとそこには大勢の汚い服を着た児童達がいて、窓からこちらを見ている。スラム街に暮らす子どもたちのようである。オレを視認して大声で口々に何かしゃべってるのだが、内容は全く理解できない。「アレは植物園クラスと言います」と説明された。「植物園」と言うよりは、「梁山泊」か「九龍城」じゃないかとオレは思った。児童達はそこに立てこもって治外法権のようにしていて住み着いているらしい。家に帰りたくない児童がいつのまにか学校で暮らすようになっているのである。日本にそんな学校があるのかとオレは唖然としたのである。いずれその中にオレは踏み込まないといけないのかと焦った。朝礼の時にはそこの子達はグランドにいなかった。
案内役の教員に「なんでこんなことになったのですか?」とオレは無意味な質問をしたが、「お金がないんです」という答えが返ってきた。とにかくこの学校を建て直すにはゼニがいると。オレは府教委の中で働く何人かの知人友人のことを思い浮かべた。どうやらオレがここに赴任させられた理由は「予算獲得」にあるようだった。
巡回を終えて職員室に戻ると、そこには教員がいない。歓声が聞こえるので窓から中庭を見ると、なぜか教員達がゲートボール大会をしている。20代から30代の教員がそうやって遊んでるのである。そこに近隣の住人と思われる老人達が混じって一緒に遊んでいたのである。
オレは壊れまくっていた学校の設備の中で、最初に直さないといけないのは何だろうかと具体的に考えた。やはりトイレを真っ先に直さないといけない。個室の扉がなかったり、そこら中に落書きがあり、便器が割れていたりという状態だったからである。
校長室の窓から外を眺めていると、遅刻してやってきた一人の教員が校門のところに見えた。それは今の勤務先にいる同僚の一人で、生徒に人気があるしクラス指導も立派にこなすいい人なのだが健康面に少し問題がある方だった。オレは「また身体壊すんじゃないかな」と心配になった。それは同僚を気遣って・・・というよりは、管理職としての「教員の欠員発生」の心配だった。
勤務を終えた帰り道、バスに乗ったオレはそこで今の勤務校の仲良しの教員と乗り合わせた。「新しい学校はどうですか?」と訊かれて一言「教員が全員クズ」とオレが答えたところでその夢は終わっている。はっと目が覚めて、そこでオレは視ていたものがすべて夢だったことに気付き、あまりにも壮大なストーリーだったので必死で思い出してここに記録しているのである。そのまま忘れ去るには余りにも勿体ない具体的な内容の物語だったからである。そして夢の中のオレはそれを夢とは思わず、自分に与えられた困難なミッションと受け止めて「どうやって学校を建て直すか」と考えていたのである。
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12月30日(土)
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