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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■巨大EVなんか売るな!
12/8〜11と大阪で開催されていたモーターショーに行った。見たかった「ビジョン コペン」を視ることができたのは嬉しかったが、他の展示車にはそれほど心惹かれなかった。クルマの世界は完全にEVシフトなんだなと感じたことが大きかったのかも知れない。まともなガソリンエンジンを作れなかった中国メーカーの陰謀に世界はすっかり載せられたのだ。
EVはデカくて重い。車種がSUVならなおさらそうである。車重2トンを超えるような重量級のクルマばかりになれば、道路も橋も早く痛むだろうし、そもそも交通インフラ、駐車場インフラがまだそれに対応できていないのである。
重いだけではなく、車幅も1.8mを軽く超えるものが多い。駐車場のマス線を引くときに基準となってるクルマの大きさはいったいどのくらいなんだろうか。古めの商業施設に行くとやたら駐車場のマス線の幅が狭いのである。京都市の出町商店街の近くにある市営の地下駐車場なんか5ナンバーのクルマ専用という感じで作られていて、こんな狭いところにうっかり巨大SUVで乗り込めば、駐車はできても左右どちらのドアも開けられないという悲劇が待っている。ドアパンチされたくないのでオレはそういう駐車場は基本的に避けるようにしているが、大きなクルマはほんまに迷惑なのである。
中国ではEVを走らせる電気を作るのに石炭火力発電所を増設している。中国で使われる電気の6割以上は石炭火力だ。それがもっとも低コストで発電できるということで世界の流れに逆行しているのだ。神戸三宮にある神戸製鋼の石炭火力発電所のような「排気中のCO2を減らす」工夫など全然されていない。とにかくどんどん空気中にその排気を捨てているのである。
会場に展示されていた中国のBYDの販売する巨大なSUVはデザインはそれほど悪くはなかった。おそらくヨーロッパではこれが「安い」という理由でたくさん売れているのだろう。そしてEVであっても、日産サクラのような小さいクルマは海外では見向きもされないのだろう。
しかし、せいぜい60〜70sの大人一人を運ぶために、車重2トンの巨大なEVを動かすというのはエネルギーの無駄遣いじゃないのか。クルマはできるだけ小さく軽い方がいい。その方がエネルギーの消費は少なくできるはずだ。日本の軽自動車は世界に冠たる技術を誇るエコカーではないのか。どうして日本政府はそう主張してEV一辺倒の世界を批判できないのか。ガソリンエンジン全廃という風潮を受け入れるのではなく、中国の方がはるかにCO2排出量が多すぎると批判できないのか。
中国人の車に対する価値観や文化は歪んでいる。だから日本では不人気車種の代表である日産「フーガ」みたいな不細工で重いクルマが人気だったりするのである。ようするに馬鹿なのである。
いや、巨大なクルマを乗り回すことをカッコいいと勘違いしている点で日本人にも馬鹿は多い。オレのような正常な評価軸を持っている人間は少数派なのである。ホンダS660のような日本でしか作れないクルマは海外で1000万円のプライスタグをつけて売っても売れただろう。毎日乗る車にするならロータスエリーゼよりもS660の方が優れてるとどうして売り込めなかったのか。
日本では老人の暴走や逆走事故が絶えない。それが小型車や軽自動車ならまだそれほど被害は大きくない。もちろん死亡事故も起きているので危険なことは確かなのだが、もしも踏み間違いで商業施設に突っ込むのが2トンクラスの巨大SUVならば、運動エネルギは車重の2乗に比例するので1トン程度の小型車の4倍となる。そんなのが店に突っ込んだらどれだけ多くの被害や犠牲者が発生するだろうか。
街を走るクルマが巨大なEV車ばかりになったらろくなことにならない。オレは今から予言しておく。もっともその悲劇を見る前にオレの寿命は尽きそうなんだが。
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12月16日(土)
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