ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18679236hit]
■なぜロシアはウクライナに侵攻したか?
「もしもウクライナが核兵器を所有していれば、ロシアはウクライナ侵攻しなかっただろう」という言説が聞かれる。これは核武装を主張する人達にとってはかなり根強い考え方であり、日本も「中国や北朝鮮に攻められないように核武装すべきだ」という考えにつながるのである。
その一方で日本は世界唯一の被爆国であるから、日本には核廃絶運動をする義務があると主張する意見もあり、どちらも極論だが、今のオレの立場は後者に近い。そもそも核兵器のような破滅的な武器を持ってることは人類にとって「恥」だと思っているし、それを発射して「無差別大量殺人」という罪を犯すことが「悪」でないわけがない。
ロシアがウクライナに侵攻したのは、ウクライナに核兵器がなかったからではない。プーチンという独裁者が領土拡大の野望を抱いたからである。そして中国には習近平、北朝鮮には金正恩という同様の独裁者がいて、戦争を起こすことになんのためらいもない。
この世に正義の戦争などないし、「殺人」というもっとも大きな罪が正当化される戦場というものをオレは肯定しない。そもそも利害の対立を「戦争」という暴力装置で解決しようというのは、「法と正義」の存在しない『北斗の拳』のような世界である。戦争が継続すれば毎日のようにその犠牲者が出続けるわけで、「即時停戦」以外に正しいことはないとオレは思うのである。
それでも戦争が継続するのは、その戦争によって儲かる人達がいるからだ。東西冷戦構造が終結してこれから世界には対立がなくなると思ったのに、ロシアにはプーチンという独裁者が出現し、中国には習近平という中華の皇帝が出現した。そうした指導者を排除するための方法として「選挙」という民主的な手続きが有効ではないということは、日本おいても「自民党」というクソみたいな政党が、公明党や維新の会という宗教カルト勢力と組んでやりたい放題やってることで明らかだろう。オレはハマスの暴挙を支持するわけではないが、山上徹也の手作り銃の銃撃によってしか統一教会と自民党の癒着構造を明らかにできなかったように、テロでしか変わらない絶望的な政治状況が存在すると思うのだ。イスラエルとサウジアラビアの接近に危機感を抱いたハマス指導部が、やぶれかぶれの大規模テロに打って出たのが現在のイスラエルの状況であり、これまで一方的なイスラエルからの暴力支配に虐げられてきた人達が、窮鼠猫を噛むという形で反撃したのが今回の一斉蜂起であるという考え方も可能である。
最初に書いた「なぜロシアはウクライナに侵攻したか」という問題の答えだが、オレは「プーチンが臆病だったから」だと思っている。それは習近平が必死に台湾侵攻を掲げることと同じなのだ。世の中にまともな人が増えてくれば、中国では統制下の共産党の一党独裁が変だと思う人が増えるだろうし、ロシアでは民主的な考え方をする人が増える。それを嫌った独裁者どもが自分の権力のあるうちに起こした国家間テロだとオレは理解しているのである。もちろん次に起きるのは台中戦争である。
台中戦争における日本の立ち位置はアメリカの同盟国として台湾支援ということになるわけだが、そうなると中国が戦線を拡大して南西諸島でも地上戦が起きることになる。意図しない形で日本も戦争当事国になるのだ。
中国はもしかしたら「沖縄は日本の領土ではない」と考えてるのかも知れない。彼らは台湾はもちろん中国の一部だと考えているわけで、ウイグル自治区の問題同様に台中関係は内政問題であると主張するだろう。そこでオレは台湾にウルトラCの提案をしたい。「日本にならないか?」と。
日本は昭和20年の終戦時に台湾や澎湖諸島の領有権を放棄した。しかしそこには「台湾は〇〇に帰属する」とは明記されていなかったわけで、中国国民党は日本が放棄した台湾を当然のように支配したわけだが、もしも台湾の人民に帰属先を自由に選べるというオプションが用意されていたとしたら、日本を希望する人もかなりいたかも知れないのである。
[5]続きを読む
10月16日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る