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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■黒歴史に向き合うこと
どうして愛国心とかを説く政治家は歴史を修正しようとするのだろうか。プーチンが「カチンの森事件」のポーランド人捕虜虐殺を認めないという報道に触れてその思いを強くした。過去の歴史の真実を知ることはとても重要である。それがたとえ自国の過去の戦争犯罪であっても、正しく知ることは戦争を繰り返さないためにも重要である。
オレが1988年にポーランドのワルシャワを訪れた時、ワルシャワ旧市街の街角で逢った若者は「 I hate Russian. We never forget Katyn. 」と語った。ゴルバチョフがカチンの森虐殺にソ連軍の関与したことを認めたのはその2年後の1990年である。スターリンからの殺害命令書も存在するという。政府が事実ではないプロパガンダをしても、歴史を書き換えることはできない。
松野官房長官が関東大震災の時の朝鮮人虐殺について「記録が残ってない」などと発言した。そうした歴史的事実を「なかったこと」にしようとする歴史修正主義者は、その理由として「そういうことを知ると愛国心がなくなる」などと語る。愛国心というのは、歴史を改ざんしようとするクソ政治家に出会うとなくなるものだとオレは思っている。「こんなクソが政治やってる国など愛せるか!」ということである。統一教会の広告塔として活躍した安倍晋三という憲政史上最悪の売国クズ野郎を信奉していたネトウヨたちは、自分たちのカリスマが実はゴミ以下だったことを知ってどう思ったのだろうか。
松野官房長官が関東大震災時の朝鮮人虐殺を「政府内に記録がない」否定するということは、ドイツの大統領がヒトラーのユダヤ人虐殺を「それはデマ」と言ってるのと同じレベルの恥ずかしいことである。韓国政府が松野官房長官の辞任を強く要求してもおかしくないレベルの発言である。
「南京大虐殺はなかった」とか「関東大震災の時の朝鮮人虐殺はなかった」とネトウヨが発言するとは、彼らの馬鹿さ加減をはかれる物差しの一つだから仕方がないのだが、政治家が公的な場でそういう発言をすれば絶対ダメだ。なぜなら与党政治家の発言というのは政府の公式見解であるのと同じだからだ。官房長官となるとなおさらである。これは日本政府の信用問題である。そんな国が「平和主義」なんてちゃんちゃらおかしいではないか。プーチンと同じレベルの歴史修正主義者が政府首脳にいるということはもはや国家反逆罪レベルである。
日本は戦前の軍国主義の黒歴史から立ち直って民主国家となった。戦争放棄の平和主義で多くの国からリスペクトされるようになった。オレがヨーロッパを放浪旅行した時にポーランドや東ドイツなどの共産圏の方から聞く日本のイメージは、優秀な工業製品を生み出す勤勉な国民性や、文化財が多く歴史や伝統を大切にしている国という肯定的なものだった。
関東大震災の時に飛び交った流言飛語によって多くの朝鮮人が「自警団」と称する人達によって一方的に虐殺された。それはまぎれもない事実だ。そして現代のネット社会に於いてもフェイクニュースが簡単に拡散されるという現象が起きている。今こそその愚行の黒歴史に向き合い、二度と繰り返さないためにも官房長官は「二度とあのようなことが起きてはならない」と言うべきではなかったか。ところが松野官房長官は真逆の発言をしてしまったのである。今すぐあのボンクラを一人で韓国に行かせて韓国人民の前で土下座させるべきだとオレは思っている。
近隣諸国と仲良くすることは戦争をしないために大切なことだ。直接その国の人間と知り合っていれば「鬼畜米英」などと誰も思わないだろう。
小学校にもろくに通えずあまり文字が読めなかった明治生まれのオレの祖母、アイばあちゃんは、歴史はNHKの大河ドラマでしか知らなかったわけだが、太平洋戦争が始まったときになんと「アメリカなんかと戦争したら負けるに決まってる」と語ったそうである。農家の一女性がそうした客観的に判断を下せるのに、どうして多くの国民は「戦争に勝つ」ということを信じたのだろうか。
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09月02日(土)
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