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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■強権政治と民主主義
ヒトラーのナチスドイツやエルドアン大統領のトルコのように、独裁政治や強権政治によって国家が経済成長することがある。しかし、その経済成長ってそもそも本当なんだろうか。オレは自民党政権がさまざまな統計の数値においてイカサマをやっていたことを知ってから、そういう数字には為政者のプロパガンダが含まれていると思うようになり、信用しなくなった。大事なのは自分の目で見たことであり、庶民の肌感覚である。
大阪はうめきたなどの一部の地域は繁栄しているし、タワマンも増えている。しかしその一方で大阪市内でも忘れられた地域や見捨てられてしまった地域があり、結果としてその地域の学校が教育困難校になってしまうことでさらに人口が流出してしまう。市内での貧富の格差がどんどん広がっているのである。これは大阪府下全域で起きている現象である。
このような状況を建て直すのに民主的な手続きを分で進めるには長い時間が掛かる。だったら議会なんか無視して専決でどんどん進めた方が速い。しかし専決処分するには議会多数派にならないといけない。その流れで維新の会は大阪府議会、大阪市議会で過半数を支配するに至った。民主的な手続きをいちいちやってると自分たちの利権政治が進まないということからである。御堂筋の破壊、夢洲のカジノIR建設、公立高校を不動産業者に売り飛ばしてタワマンや商業施設を建てまくるなどの「公の破壊」が大阪では急激に進行しているが、そういう党を選んだ府民が馬鹿なのだから仕方がない。
日本が衰退したのは政治家の無能さ故だが、その無能なゴミ政治家を選んできた有権者のレベルはさらに低いわけで。しかも選挙に行かない人が半数いるという状況下で日本がどんどん滅びていくのもやはり仕方がない。このような「緩慢な国家の自殺」を有権者が選んでいるのである。「マシな方を選んで投票する」と言うが、その「マシ」というのは政治家自身が自分たちを「改革者」だと宣伝してるだけで、実際はセクハラ、パワハラにまみれて差別意識丸出しのクソ野郎であることが多い。人間の本質は思わぬ所で露呈するものである。
日銀の黒田総裁はインフレ目標2%を掲げたが、実現できないままに終わった。通貨の発行量(流通量)を増やせば相対的に価値が下がってインフレになるのは自明である。極端な場合はアフリカのジンバブエのようなことになるのだが、日本では不思議なことに巨額の国債発行を行いながらも、そうやって増えた通貨は大企業や資産家のところに集まったことで市場に流通する通貨は賃金の低下によってむしろ減ってしまうという謎の現象が起きた。それは日本の金融緩和政策が「まず金持ちを豊かにする」「その富が下へ下へと降りてきてみんな豊かになる」、いわゆるトリクルダウンという世界の歴史の中で一度も起きたことのない経済現象を自民党政権が推進したからである。アベノミクスの結果は、超富裕層がさらに豊かになった一方で、最下層はさらに貧しくなり。中間層は社会保険や税金の負担の増加によって収入の5割近くを搾取されて貧しくなってしまった。年収1000万円の家庭でも、子どもを二人私立大学に通わせることができなくなってしまったのである。
オレは今起きているさまざまな状況を俯瞰しつつ、今の日本には何が必要なのかを考える。Fランク大学という貧民搾取の装置を巧妙に作り上げて、結果として多くの若者を奨学金地獄に送り込んだ文部科学省はクソだ。少子高齢化の前提にある「非婚化」の原因はまさにそこにある。しかしそういう大学への進学を勧めたのは現場の教員ではないのか。目の前の生徒がおよそ大学教育に値しないDQNであることを理解していたのになぜ安易に受験を勧めたのか。オレならきっと「働け」と言っただろう。
為政者が自分たちの政権を維持する方法は簡単だ。国民の中にどんどん馬鹿を増やせばいいのである。日本一馬鹿が多いとされる大阪で起きていることを見れば一目瞭然である。詐欺に騙され、自分たちに投票してくれる馬鹿が多ければ多いほど政権は安泰だ。反逆者は法律を作って検挙し、排除すればいいだけである。
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05月28日(日)
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