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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■もう新線はいらない
オレはこのブログでずっとリニア新幹線不要論を説いている。リニア新幹線をわざわざ作らなくても、東京大阪間の輸送量はこれから増加することはないし、リモートワークやリモート会議も今は普通になっている。テレビ番組でもリモート出演が増えているくらいである。
大阪ではうめきた開発に伴って大阪駅の地下駅が開業する。これまで大阪駅を通過していた「特急はるか」などが停車するようになるのだ。そして2031年には地下鉄なにわ筋線が開業し。JRはそこに乗り入れるという。狭軌でそのまま乗り入れ可能な南海電鉄の汐見橋線を使って、南海本線経由の形で新大阪−関西空港間に直通列車を走らせるのだろうか。ただ、汐見橋線は現在は岸里玉出からの折り返し運転となっていて、南海本線への連絡線は撤去されていたかも知れない。あるいは地下にあるJRなんば駅に直結してそのまま阪和線経由で関空へということの方が実現可能性は高いだろう。いずれにしても巨額の投資が行われることは間違いない。
地下鉄なにわ筋線の工事が始まれば交通規制が起きる。ところが維新行政下で御堂筋の歩行者天国化というものを予定している。大阪市内の都心部を南北に貫く幹線道路が2本も同時に使えなくなるのである。それが市内の交通にどんな悪影響を与えるか想定してるのだろうか。
通勤人口はどんどん減少している。通勤ラッシュも緩和され、少子化で通学する高校生や大学生の数も減って、公共交通は「利用者減少」という問題に全国で直面しているのだ。そこで既存路線の客を奪うだけの新線が果たして必要なのだろうか。
JRが「特急はるか」や「関空快速」を地下鉄なにわ筋線経由にしたところで、どうせ地下鉄区間は各駅停車である。よしんば通過できるようにするとしてもその時間短縮効果は数分である。しかし建設費は5000億円くらいはかかるだろう。それだけの投資効果が果たして見込めるかというと否である。いくらなにわ筋線経由でほんの少し時短したところで、関西空港が都心部からはるか遠くにあるということは動かしようがないのだ。
これからの日本は人口減少社会に突入し、やがて消滅社会となる。日本の人口は徐々に減り、そのまま勢いを失った老人国家となるか、あるいは大量の移民に乗っ取られた多国籍国家となって中国に飲み込まれるかのいずれかである。岸田内閣の「異次元の少子化対策」なんてものがなんの効果も出せないほどに日本は政策を誤ってしまってここに至るのである。
北陸新幹線までは百歩譲って認めよう。しかしその新線は山の中にわざわざ作る必要は無い。敦賀から湖西線経由で山科まで作って、山科−京都間だけを在来線に併走する新路線を作ればいい。東山にトンネルをもう1本作れば済むだけのことである。必要な工事は湖西線の改軌と、敦賀−近江塩津、山科−京都間の新線建設のみである。こうすればかなり工事費が節約できるだろう。
オレは北陸新幹線のことを「もしも東海道新幹線がアウトの時の代替路線になりうる」と考えている。だから延伸することにも賛成だが、小浜経由で新線を山の中に通すことには反対するのである。それはあまりにもゼニが掛かりすぎるし、需要予測が立たない。だったら今あるものを活用すればいいし、全線高架で建設されていて踏切のない湖西線というのは将来的に「北陸新幹線」への転用を前提に建設されたものではなかったか。
そんなことをかつての鉄道好きなオッサンとして思うのである。実際は湖西線が並行在来線として経営分離されるという悲劇が待っているわけで、オレのこのプランを採用してくれば無駄も抑えられていいと思うのだ、なかなかそういうわけにはいかないのである。
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02月15日(水)
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