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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■無線マウスの突然死


 無線マウスを使うようになってから10年近くになるが、先日、長いこと使っていた無線マウスを諦めて、ストックしていた少し高級な有線マウスにした。使用中に突然カーソルが動かなくなって、マウスを見ると裏側の青いランプが消えていて、少しマウス本体を叩くとまたその青ランプが点灯して反応する、というなんとも不便な状況になったので、強制引退させたのである。

 有線のマウスを使っていたときは、マウスというのは基本的に故障しないものだった。ただ、長期の使用による摩耗などの形で引退に追い込まれたわけである。ところが無線マウスの寿命は短い。1〜2年で不具合が発生して廃棄することになる。なぜだろうか。

 この無線マウス寿命問題というのはオレにだけ発生しているのか、それとも普遍的な現象なのか、オレはそのことに興味を持っている。そして、1〜2年でマウスが死ぬ理由は、もしかしたらオレが通販で買った激安のマウスというものに問題があるのではないかということである。

 マウスというのは手に直接触れる微妙なデバイスである。操作性というのは個々に違うし、マウスを変えたときはしばらくは少し戸惑う、いずれ手がなじむので問題ないのだが、その微妙な使用感の違いは「安物は基本的にダメだが、高級品の中にも外れはある」としか言えない。

 たとえばダイソーでは300円くらいで無線マウスが買えるが、これは基本的に全くゲームには使えない。反応の遅さは老人向けである。一度試しに買ってみたことがあるが、少し使ってダメなことがわかって同僚にあげた。「ダメなら捨てて下さい」と伝えてのことである。オレが通常使用してきたマウスは、通販で1000円程度で購入できる5ボタンマウスである。その中でもちろん当たり外れがあるので、当たりだったものはスペア用としてもう一個注文することもある。

 ゲーミングマウスと称して販売されてる高価なものならばおそらくオレの希望通りの性能を満たすのだろう。しかし。1万円近い高価なマウスを使おうとは思わない。日常の使用に使うものとして中古ノートばかり買うようになった自分のコスパ意識には合わないからである。

 考えたらパソコンは安くなった。デスクトップ本体のみで一台30万とかしていた時代ははるか昔のことである。その頃に使っていた17インチのCRTモニターとかは中古引き取り業者にスクラップとして引き渡した。

 その昔、PC98シリーズに付属していた、NEC純正の中にボールが入ったマウスは定価1万円くらいだった。そんな原始的なマウスが存在したことなど今の若者には想像も付かないだろう。ボール式のマウス、今でも使ってる人はいるんだろうか。我が家も探せばどこかに眠ってるはずだ。

 突然死することもある無線マウス、職場にも家にも緊急用のスペアがあるし、コレクションとして買った面白マウスもたまに使うと味があっていい。機能本意のようで好みが分かれるパソコン周辺機器であるマウスを、かつてのオレはいろいろとコレクションしていた。おそらく世界のどこかにはとてつもないマウス収集家がいるのだろう。30年くらい前に日本橋で目撃した、「おっぱいマウス」とネーミングされた女性の乳房そっくりの形のピンクのマウスを買っておけばよかったと今にして思うのである。おそらくそのようなエロいものは存在そのものが悪として糾弾されそうである。今なら絶対に販売不可能な商品である。

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11月28日(月)
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