ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18680383hit]
■ありふれたクルマの利点
オレは長いこと2ドアクーペばかり乗り継いでいた。ドアが4枚あるクルマを新車で購入したことは初めてだ。そのロッキーもこの冬に最初の車検を迎えることとなる。とりあえず一回目の車検、二回目の車検まではそのまま乗り継ごうと思っている。運転しやすく、そこそこ燃費も良く、大きな9インチナビでテレビ視聴も快適であり、旅行するにも出かけるにも最高だと思っているからだ。
街では兄弟車のライズとよく遭遇する。ロッキーはあまり見かけないが、同じ型式のライズはやたら走ってるので「街にありふれたクルマ」であることは間違いない。こうしてありふれたクルマであることの利点は何かというと「目立たない」の一点に尽きる。
珍しいクルマに乗っていることの短所は、どこに出かけても自分だとバレるということである。和泉ナンバーの赤いFTOに乗っていた頃は、九州や東北に出かけてもすぐに「あっ、江草乗だ!」とバレたのである。これはなかなか困ったことである。
オレが「江草乗の言いたい放題」をエンピツ日記で書いていたテキストサイト全盛期の時代は、日記才人というサイトでランキング上位だったこともあり一日のアクセス数は1万を超えたこともあった。芸能人でも政治家でもないただのオッサンの日記がそれだけの読者数を稼いだということは、日本中に多くの「江草乗を知ってる人間」が存在することであり、その運転しているクルマからすぐに所在がバレたのである。
もしもその赤いFTOがラブホテルの駐車場にあれば「江草乗がラブホに居た」と誰かに書かれることとなるし。大人のおもちゃ屋の駐車場に停まっていれば「江草乗は変態」ということが話題になるし、高級レストランの駐車場に停まっていれば「江草乗は実はセレブ」という勘違いをしてもらえたのである。そうしたさまざまな危険の中でオレは執筆活動を続けていたわけである。
その後オレはホンダS660に乗り継いだわけだが、S660は荷物も積めない非実用的なクルマであり、どうしてもクルマで旅行したいと思ったら友人からクルマを借りるか、あるいはレンタカーを借りるしかなかった。レンタカーならばもう誰が運転しているのか全くわからないのである。そういうわけでS660は近場しか使えなかったのだ。そしてもうその頃はテキストサイト全盛期ではなかったこともあり、世間の多くの人は「S660に乗ってるオッサンは江草乗」ということなどどうでもいいくらいに忘れてくれていたのだ。
今、ロッキーというそこら中で目撃されるありふれたクルマに乗ってることでオレは「人目を気にせずに済む」という大きな安心を手に入れた。これでオレはどこにでも行ける自由を手に入れたとも言える。オレはクルマの運転が好きだが、フェラーリに乗りたいとかポルシェに乗りたいという希望はない。そういうクルマは運転しにくいしめんどくさいからである。維持するのにゼニもかかるので、そんな余分なゼニがあれば他のことに使いたいのである。
ありふれたクルマでありながら、ロッキーはかなりすぐれたクルマであるとオレは感じている。荷物の積載性も十分で、少し硬めの乗り心地も気に入っている。高速道路を時速100キロ程度で巡航運転したときの燃費は1L/20qくらいでお財布にも優しいのである。そういうわけでオレはこのロッキーでしばらく休みの時は旅行に出かけることとなるだろう。もちろんその旅先で「あっ江草乗だ!」と言われる可能性は限りなくゼロに近いのである。
←1位を目指しています。
09月29日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る