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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■母のエアコン
8月26日金曜日の夜、「ドン」と大きな音が鳴った。1Fのリビングにいてテレビを見ていたオレは何があったのだろうかと2Fに上がった。母親の部屋に行くと、母が「クーラーが壊れた」と言ってる。「ドン」という音は窓に取り付けたモリタというメーカーのクーラーが鳴ったのだった。突然爆発音がして、そして冷気が出なくなったのだという。何か焦げ臭いような匂いもする。それはきっと「壊れた」ということなのだろう。オレは母に「スイッチいれたらあかんで」と伝えた。
その窓用クーラーは、オレがホームセンターで買ってきて取り付けたものである。母の部屋は以前は嫁に行く前に妹が使っていた部屋で、妹が居た頃から窓にクーラーがついていた。両親が離婚して母がその部屋を使うようになって、何かのタイミングで効かなくなった古いクーラーをとりはずして、そしてホームセンターで買ってきた新しいクーラーを母のために取り付けたはずだ。でもそれはもう10年以上前のことだったと思うのである。あまりにも前のことなのですっかり忘れている。
我が家には他にも使わなくなった窓用のクーラーがあって、妻は当初は他の部屋から取り外してそこに移動させることを提案したが、母が「お金は自分で出すからちゃんとしたのつけたい」と言い出した。ちゃんとしたのとは、窓用ではなくてきちんと室外機のあるセパレート型のエアコンを工事して取り付けるということである。
オレは母を連れて8月27日(土)に北花田の上新電機アウトレット店に行った。そこで工事費込み、税込みで58800円という激安のシャープのエアコンを見つけてその機種に決めた。月曜日にはもう工事が可能だという。そういうわけですぐに購入の手続きを取ったのである。壊れた窓用のクーラーはお金を払って引き取ってもらうことにした。帰りに松原市役所で母と一緒に期日前投票を済ませた。市役所の中の投票ブースにまで大音量で響き渡る街宣の音があまりにやかましくて、オレは市役所の人に抗議したくらいである。「こんなところで、こんな大音量でやるのはフェアじゃないでしょ!」と。
月曜日の朝、オレはその大音量で市役所前で投票妨害をしていた田中あつしという候補がちゃんと落選していたことを確かめて安堵した。このクソ野郎は前回は維新の会公認候補として当選し、その後議会をサボって沖縄旅行していたクソ野郎であるが、落選したということは市民が良識を示したということである。
仕事を終えて帰宅すると、母の部屋のエアコンは静かに稼働していた。そう、窓用のクーラーはけっこう稼働音がひどかったのだが、今度は本当に静かなのである。「あまり寒くなるといけないから」と母は設定温度を28度にして、サーキュレーターと併用していた。我が家で誰よりも環境負荷の少ない「エコライフ」を実践できているのが間違いなく母だろう。ふだんクルマのエアコンの温度設定を19度とかにしてガンガン冷やしてるオレはなんだか申し訳なかったのである。
すでに86歳の母にとって、そうして設置したエアコンの寿命が来る前にお迎えがあるかも知れない。しかし、残された母の時間が少しでも快適な時間になるのならそれはとても大切なことである。オレは母がいつでも食べられるようにと母の好きなお菓子を切らさないし、冷蔵庫にはいつでも飲めるようにカルピスや果汁100%のジュースを冷やしてある。もうかなり食が細くなってしまい、一緒にお好み焼きを食べても母は半分くらいしか食べないので私が1.5枚食べることになる。
今はこうして元気に過ごしていても、年齢が年齢だけに突然調子が悪くなることもある。3月にはコロナのせいで一ヶ月以上入院した。母はコロナ肺炎が悪化していて、できるだけ入院抑制するという大阪府知事の方針のせいでもう少しで殺されるところだったのである。入院が間に合ったのは運が良かっただけかも知れない。
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08月31日(水)
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