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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■コンビニ元締めの横暴を許すな!
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コンビニというのはタクシーと同じである。タクシーの運転手が過酷な労働条件で働かないといけないのは、台数が多すぎて客の奪い合いになってしまい、一人あたりの実入りが少なくなるからである。ところがタクシー会社はちっとも腹が痛まない。台数を増やせば増やすほど利益は増えるのだ。そういうわけで大都市の道路には過剰なまでのタクシーが溢れている。
コンビニも同様である。すでに大都市圏のコンビニは飽和状態である。新規出店すれば古い店がその煽りを食って売り上げが落ち込む。ところが元締めは全く困らないのである。その理由はなぜか。コンビニ本体がもうからなくても、元締めはもうかるような仕組みが確立されているからである。コンビニでは大量の賞味期限切れの廃棄食品や万引き被害が発生する。それらはすべて店側の負担なのだ。小売業のリスクの部分はすべて店側に押しつけ、元締めは利益の部分だけをかっさらっていくのである。だからセブンイレブンもローソンも元締めは儲かってるのである。その一方でコンビニ経営者は過労死したり破産したりという悲劇が後を絶たないのだ。まずくて誰も買ってくれず、仕方なしに捨てるしかないような弁当まで原価相当分を店側は払わされるのだ。捨てる前に値引き販売するというしごくまっとうなことをしているだけで、元締めからは「契約違反だ!」などといじめられてきたのである。つまり、コンビニ業界の巨額の利益は、損失はすべて店に押しつけ、元締めが利益だけを吸い上げてきたから生まれたものだったのである。同じ系列の店が近くにあって共倒れになりそうな時でも平気で出店させる。上述のタクシーと同じ状況がコンビニに生まれているのだ。
そのあこぎなやり方がついに排除される日がやってきたのだ。オレは粘り強く戦ってこの決定を勝ち取った方たちの努力を賞賛したい。一軒一軒のコンビニの力は小さくても、その小さな力を結集すれば巨大な元締めと戦うことができるのだ。この世に珍しい「正義が勝ったできごと」として、オレは今回の公正取引委員会の決定を高く評価したい。
セブンイレブンに排除命令 公取委、値引き制限「不当」 2009年6月23日3時30分
約1万2千店舗を抱えるコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンの本部(東京)が、販売期限の迫った弁当などを値引きして売った加盟店に値引きをしないよう強制していたとして、公正取引委員会は22日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で同社に排除措置命令を出した。
本部との契約を打ち切られると事実上経営が成り立たなくなる加盟店は、本部からの要請に従わざるを得ない実態がある、と公取委は判断。独禁法の「優越的な地位の乱用」にあたると認定した。
販売期限の迫った弁当などの値引きは「見切り販売」と呼ばれるが、これをしていた加盟店側は「見切り販売をせずに本部の要請通りに弁当などを捨てると、大きな損失が出て経営が圧迫される」と主張。本部側は「安易な見切り販売は中長期的に加盟店の利益にならない。発注精度を高めることがなによりも重要だ」などとして対立していた。
しかし、命令は、見切り販売しないで捨てることになる弁当などが、1店舗あたり年間約530万円(調査した約1100店の平均額)に達している現状も指摘。今後、加盟店側が値引き販売できるようにするための具体的な方法を示した資料(マニュアル)を作ることを求めるなど、加盟店側に立った認定をした。
販売期限の迫った弁当などの販売をめぐっては、指導の強さに違いはあるものの、セブン―イレブン以外のコンビニ各社も同じように「本部が推奨する価格での販売」を加盟店側に求めていることから、影響は業界全体に及ぶ可能性がある。また、本部側は「他店との値引き競争の恐れから見切り販売には慎重な店主が多い」と主張しているが、今回の命令を機に、スーパーや百貨店の閉店間際に見られるような「見切り品」の安売りを始めるコンビニ店も出てきそうだ。
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06月24日(水)
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