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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■リニア中央新幹線は必要か?
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 リニア中央新幹線は必要だろうか?

 もしもオレがJR東海の株主なら大反対である。株主総会で反対の意見は出ないのだろうか。5兆1000億円もの事業をどうして単独で行う必要があるのか。年間の経常利益が約2000億円のJR東海にとって、25年分の利益をつぎ込んでまで作るだけの価値があるのだろうか。
 読売新聞の記事を引用しよう。

リニア直線ルート、建設費5兆1千億円…JR東海試算
 JR東海は18日、2025年に首都圏―中京圏で開業を目指しているリニア中央新幹線のルート別建設費の試算結果を公表した。
 検討対象の3ルートのうち、JR東海が主張している南アルプス直下を貫く「直線ルート」の5兆1000億円に対し、南アルプスを迂回(うかい)する2ルートでは、5000億円以上、建設費が膨らむ。
 直線ルート以外の建設費の試算額は、長野県が希望する南アルプスを北へ迂回して伊那谷を通るルートが5兆7400億円、木曽谷を通るルートは5兆6300億円だった。
 迂回ルートの建設費がかさむのは、直線ルートより路線距離が48〜60キロ長く、地上部分も延びるため、用地買収費用が増えるためだ。
 JR東海の松本正之社長は18日の自民党リニア特命委員会終了後、報道陣に対し「私たちの元々の考え方は直線ルートだ」と改めて強調した。(2009年6月18日22時26分 読売新聞)

 出費と所要時間の増える伊那谷ルートや木曽谷ルートは論外だが、直線ルートで5兆1000億円もかかるというこの巨大事業を行うことで、現在大きな利益を上げている東海道新幹線が今度は不良資産になってしまうことを忘れてはならない。こんなものを建設したからといって、人の移動が二倍になるわけではないのだ。名古屋から東京に毎日リニアで通勤する馬鹿とか、東京から名古屋大学に通う馬鹿とかは基本的に存在しないとオレは思っている。

 現在、東京名古屋間の移動人員というのは新幹線で十分に運べている。超満員で運べないということなどない。もしも飽和状態になれば在来線の東海道本線を活用すればいいのである。そっちに速度は劣るが値段の安い特急を走らせれば客はそっちにも流れるだろう。各駅停車の「こだま」なんか無くせばいいのである。もしも東京・名古屋間を3時間半で結ぶ「新快速」みたいなものを走らせれば、安いということでそっちに流れる客がかなり出るはずだ。JR東海がそういう列車を走らせないのは新幹線の客を増やしたいからであって乗客の要望がないからではない。

 一方JR西日本の管内では新快速が姫路から敦賀までをカバーしていて、京都から大阪も30分くらいで移動できるし、大阪から神戸も20分ほどだ。本数も多く便利な在来線があるからよほど遠くに行くときでない限り新幹線に乗る必要はない。しかし、JR東海というせこい会社の管内では、客をできるだけ新幹線に乗せてゼニを稼ぐために在来線を極端に不便にしている。そのために近距離でも新幹線を利用しないといけないような目に乗客は遭わされてるのである。

 たとえば静岡から浜松に行くのに、在来線なら1時間以上かかってしまうがこだまならわずか25分ほどだ。利用者にはめちゃんこ遅くて安い在来線か、倍の料金でぼったくりの新幹線こだまかの選択肢しかないのである。在来線に快速列車を走らせて40分くらいで移動できるようにするという発想はない。そんなことをすると新幹線の客が減るからである。乗客の利便性よりも金儲けが最優先というのがJR東海という会社のせこい部分である。

 そんなクソみたいな会社がリニア新幹線を建設すればどうなるか。おそらく新幹線「のぞみ」は本数が激減して、急ぐ人はぼったくり価格のリニア新幹線に乗るしかないということにされてしまうのだ。実質の値上げである。5兆円以上の建設費を回収するために運賃はかなり高値に設定されるだろう。かえって不便になってしまうことは間違いないのである。


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06月19日(金)
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