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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ライブドアが暴落したのは誰のせいなのか?
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 買った株が値下がりしたからと、株主はその目減り分を請求できるのだろうか。オレは株式投資というのはすべて自己責任だと思うのである。絶対に大丈夫だと思って買っても翌日から暴落することもある。昨年夏、アーバンコーポレーションという新興不動産が倒産したとき、BNPパリバとの間に結ばれたCB発行の契約情報の一部が意図的に隠されていて、そのために多くの投資家がだまされて高値でつかみ、そこにBNPパリバが空売りを浴びせるというインサイダー取引事件があった。この関係者は処分されたのだろうか。アーバンコーポの経営陣もこの不正には関与していたはずである。結果として投資家に莫大な損失を与えながら、何のお咎めもないのはなぜか。損をしたのは個人投資家が中心であり、通常は金融庁や財務省からゴミ扱いされているからだ。

 粉飾決算で上場廃止に追い込まれたライブドアの株主が、持ち株が暴落したことの損害賠償を求めた訴訟のこの記事を読んでオレはどうも納得できなかったのである。5月21日の判決までもうすぐである。

ライブドア個人株主訴訟が結審 判決は5月21日2009.1.22 20:58
このニュースのトピックス:民事訴訟
 ライブドア(LD)事件による株価暴落で損害を受けたとして、LDの個人株主ら約3300人が元LD社長、堀江貴文被告(36)=上告中=ら旧経営陣や監査法人などに計約230億円の賠償を求めた訴訟の口頭弁論が22日、東京地裁(難波孝一裁判長)であった。原告側は「一般投資家は多大な損害を受けた。一般投資家を救済し、巨額の利益を得ている被告らの利益をはき出させるのが正義だ」と主張、結審した。判決は5月21日。
 原告側は最終準備書面で、「旧経営陣が有罪とされた刑事事件の事実認定を覆す材料が、この裁判で示されたことはない」などと指摘。堀江被告らが故意に粉飾決算などの違法行為を行って株価をつり上げていたと強調した。
 また、原告の女性が意見陳述し、「夢を託してLD株を買った。強制捜査は青天の霹靂(へきれき)だった。夫の退職金をつぎ込んだ今、窮地に立たされている」と訴えた。別の男性原告は「一般の人たちには、日常生活で企業内部の偽装を見破るのは不可能だ」と述べた。
 被告側はいずれも、株価暴落に責任はないなどと訴えの棄却を求めている。

 企業の経営者は自社の株価が上がるように工夫する。これは至極当然のことである。自社株買いをする経営者もいれば、自社のイメージをよくするために広告を打つ経営者もいるし、儲かってるように決算を偽装する経営者もいる。後で下方修正になるのが確実なのに、甘い決算見通しを出す企業もある。もちろん東証は行き過ぎた行為があれば処分を行うことになる。投資家保護のためにそれは必然だろう。粉飾決算を行ったとされるライブドアがそのために監理ポスト入りさせられても、そこまでは仕方がない。しかし、きちっと改善を行えば、一定期間の後に復帰させるのが筋じゃなかったのか。なぜ上場廃止以外の選択肢がなかったのか。少なくともまっとうな企業活動でも収益を上げていたわけで、あの時の処分はどうもオレには納得できないのである。2006年12月19日にオレは 「日興は生きろ、ブタは死ね」という日記を書いた。そこでも触れたことだが、ライブドアの10倍以上の金額の粉飾決算を行った日興コーディアルは上場廃止させられることもなく、そのまま上場は維持されて米シティグループに買収された。

 ライブドアの一件で「粉飾決算=上場廃止」と短絡的に考えた多くの個人投資家が日興コーディアルグループを空売りした。しかし、東証は同じ上場会社であっても差別的な処分を行い、日興コーディアルに対してはほとんとお咎めなしという緩い処分しかしなかったのである。日興を安値で空売りした個人投資家の多くは莫大な損失を出して撤退するしかなかったのだ。


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04月30日(木)
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