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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■三菱UFJ証券にハメ込まれた人たち
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 少し長く株式投資をしているものならば、誰でも三菱UFJ証券に関する悪評を聞いたことがあるはずだ。ここが顧客に推奨する銘柄というのはいわゆる「ハメ込み」銘柄であり、大口の資金を運用している優良顧客に利益を出させるために、ゴミ扱いの小口個人投資家に推奨して高値で買わせるというものである。つまり、三菱UFJ証券から見れば顧客なんてただの金づるなのである。今回、それを再認識させてくれる事件が起きたので日経新聞のサイトから記事を引用したい。

三菱UFJ証券、元社員が148万人の顧客情報を不正引き出し
 三菱UFJフィナンシャル・グループ傘下の三菱UFJ証券は8日、同社のシステム部長代理の男性社員(44)が社内システムから不正に約148万人の個人顧客情報を引き出し、うち5万人弱分を名簿業者3社に売却していたと発表した。情報はマンション投資勧誘会社などに転売されていた。同社は同日付でこの社員を懲戒解雇するとともに、今後警視庁に刑事告訴する方針だ。
 記者会見した前田孝治常務は「顧客や関係者に深くおわびする」と述べるとともに、「管理責任は免れない」と説明。事件の全容を解明し、経営陣を含む関係者の処分を検討する考えを示した。 (20:57)

 三菱UFJ証券の部長代理で44歳ならば、年収も2000万くらいはあるのだろうか。そいつが148万人分の顧客情報を勝手に盗み出したそうだからその中にはきっとオレの情報も入っていたはずだ。それを名簿業者に売却したというとんでもないクソ野郎である。こんなヤツは全財産を没収して破産させてやるだけではなくて、刑務所に20年くらいぶちこんで欲しいし、ついでに情報を勝手に売られたオレにも1億円くらい賠償してもらいたいものである。

 ただ、この部長代理の男がこういう犯罪を起こしたのは果たしてこいつの個人的な問題なのだろうかとオレは思うのである。それは過去に三菱UFJ証券が会社ぐるみでやった悪事の数々をオレは覚えてるからだ。ここにサンリオの過去5年間の株価チャートを示してその説明をしたい。




 サンリオは2005年10月に大きく株価を下げ、10月24日には992円まで下がった。なぜ下げたかというと、三菱UFJ証券がサンリオの転換社債を引き受けたからである。株価に応じて決定される株式への転換価額を下げておくために三菱UFJ証券は空売りを仕掛け、まず918円、その後1004円で大量のサンリオ株を入手したのである。そうして入手したサンリオ株を今度は三菱UFJ証券は高値で売り抜けなければならないのである。そこから一種の仕手戦が仕掛けられたのである。証券会社がこうして株価操作することはOKなのかとオレはいつも不思議に思うのだが、考えたら証券取引法違反で捕まるのはホリエモンや村上ファンドのような側であって決して証券会社の連中ではないのである。日興コーディアル証券のように粉飾決算やっていても上場廃止どころかお咎めなしになるわけで、あの世界にはイカサマしかないのである。

 サンリオ株はそこから急上昇し、なんと翌年の2月6日には2540円の高値をつけたのである。短期間で株価は2.5倍になったのである。その値上がりを支えたいくつかの風説の中には「ビル・ゲイツがキティちゃんのファンなのでサンリオ買収を狙っている」というものまであった。いったい誰がそんな馬鹿馬鹿しいウワサを流したのか。オレは三菱UFJ証券の連中に対して、ゲスの勘ぐりをしたくなるのである。もっとも証拠なんてないし、誰かが2chに無責任に書き込んだことが一人歩きしただけかも知れないが。

 実力以上に値上がりしたのならそこから空売りすれば個人投資家は大儲けできることになる。しかし、サンリオ株はなぜか東証によって「空売り禁止」という規制がかかっていた。個人投資家は空売りできなかったのである。その株を高値で大量に売ることができたのは、1000円くらいで入手した大量のサンリオ株を持つ三菱UFJ証券だけだったのだ。


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04月09日(木)
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