ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18825224hit]
■郵貯のゼニはどこに消えたのか?
ブログランキングの投票いつもありがとうございます。クリックすれば今のランキングが何位かを確認できます。読者獲得のためにご協力をお願いします。
「かんぽの宿」の払い下げ疑惑でオリックスと日本郵政会社の間にどんな関係があるのかと話題になっている。実はオレがもう一つ気になってるのは「かんぽの宿」をタダ同然でたたき売ったりしている郵貯の資金がどの程度目減りしてるかということなのだ。通常の銀行は預金者から預かったゼニを預金よりも高い利回りで貸し出して運用するわけだ。しかし、郵便局は金貸し業務をしてたわけではない。ということは何らかの手段で運用しないと郵便貯金の利息が払えないわけだ。その使い道がたとえば国債の購入であったりするわけである。しかしかんぽの宿みたいに大赤字の事業もあるわけで、通算するとかなり事業内容はマイナスであるとしか思えないのである。まさか円天みたいに新たな預金者のゼニを利息支払いに回しているなんてことはないと思うのだが。
郵便貯金のゼニを130兆円預かって運用している日本トラスティサービス信託銀行という資産運用専門の会社がある。この日本トラスティ、実は四季報の至る所に顔を出しているのだ。日本のたいていの主要企業の大株主としてこの日本トラスティの名前が出てくるのである。日本トラスティ信託銀行のWEBサイトには 2009年度の経営状況がPDFファイルの形で載せてある。そこに記載された信託財産額は約200兆円である。この中に日本郵政会社から預かった130兆円が含まれるのだろう。その中に含まれる信託勘定有価証券残高は79兆円である。
さて、この日本トラスティは昨年の夏にオリックスの株をせっせと買い支えていた。そのおかげで3月には11930円まで下がっていたのが、2ヶ月ほどで倍近い21240円まで上昇したのである。なんと日本トラスティはオリックス株の14%、1298万株を保有する筆頭株主となったのである。
日本郵政会社の資金を信託運用する日本トラスティが実はオリックスの筆頭株主だった・・・というだけでなんだか怪しいつながりを憶測してしまうわけだが、信託運用する側にしてみれば「有望な投資先だから」という理由で買っていたのかも知れない。しかし、オリックスはその傘下に大京・ジョイントコーポレーションというお荷物の新興不動産会社を抱え、オリックス本体も5兆7千億の有利子負債を抱えているのだ。オリックスの発行しているCB(転換社債)の額面は71円である。償還期限まで保有すれば額面の100円が返ってくるCBが71円で取引されているということは、償還期限までに倒産して紙切れになるかも知れないという恐れから投げ売りされてるのである。
今やオリックスは、保有する不動産や有価証券の目減りによって実質債務超過状態にある可能性が高いのである。そしてこの会社には疑惑が多すぎる。「かんぽの宿」疑惑どころではない。昨年の9月にあったオリックスによるジョイント救済劇の直前にあった異常なジョイント株の値動きは、情報を事前に知ったオリックス関係者が株買い占めを行ったから発生したものと考えて間違いない。ところがこの疑惑に関してはマスコミ各社は黙殺して全くなんの報道もなされず、警察による捜査の対象にさえあがっていないのだ。それを話題にしたのは昨年9月9日のオレの日記くらいである。あの誰の目にも明かなインサイダー取引事件を知ってるのは投資家以外ではオレの日記の読者くらいしかいないだろう。なぜ情報を漏らしてボロ儲けしたオリックス関係者を証券取引法違反で逮捕できないのか。
[5]続きを読む
02月27日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る