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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■寒い冬こそ京都に行こう!
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京都の観光シーズンというと春の桜の季節や秋の紅葉の時期を誰もが思い浮かべるわけだが、その時期はホテルも混雑しているし、どこに行っても人ばかりである。人気のお店も行列ばかりでせっかく行ったのにちっとも楽しめないということになってしまう。混雑を避けたかったら人の行かない時期を狙うしかない・・・というわけで寒い冬こそ京都に行くことをオレは勧めたいのである。冬に行けばどこでもけっこう空いている。秋や春にはとても入れなかったような人気のお店も、あっさりと入れてしまうのである。ホテルも比較的予約が取りやすいのである。そういうわけでオレのように京都を本当によく知る人は真冬に遊びに来るのだ。
寒い時期に食べるものといえばなんといっても「湯豆腐」である。「湯豆腐」といえば「南禅寺」である。南禅寺には有名店の「奥丹」「順正」の2軒があって、いずれも甲乙つけがたいのである。ただそれぞれの店には明確なコンセプトの違いがある。 「奥丹」の方が湯豆腐だけのメニューで直球勝負なのに対して、 「順正」の方はメニューも豊富であり、より大衆化を狙っていると言えよう。孤高の存在の「奥丹」に対して、湯豆腐道の覇権を狙うのが「順正」なのかも知れない。ちなみにオレはどっちも好きだ。湯豆腐そのもののおいしさでは「奥丹」だが、それ以外の精進揚げや香の物、田楽、胡麻豆腐といった総合評価なら「順正」に軍配が上がるかも知れない。まあこれに関しては個人の好き好きなんだが。
京都の食べ物屋の常として、「奥丹」も「順正」も駐車場がない。南禅寺拝観者用の駐車場(2時間1000円)の所に駐車するしかない。手前には1時間500円というコインパーキングもあるわけだが、湯豆腐を食べて南禅寺の方丈(国宝)を拝観するには1時間では足りない。そういうわけでクルマで行くならちょっと贅沢な出費になるわけである。しかし土日はどちらの店も混雑していて昼食時間の12時頃には行列ができてることもある。予約なしで確実に待たずに入るためには11時くらいに行って早めの昼食にするのがベストである。京都で本場の湯豆腐を食べるという体験のためにはそれくらいの周到な準備が必要なのである。休日にこの両店の前に行くと、次々とタクシーが停まって客がはき出される。おそらく京都駅でタクシーに乗った観光客が「湯豆腐屋さんに行ってください」と言うとここに連れてこられるのだろう。間違いない。
ただ、「奥丹」も「順正」も湯豆腐を食べるには最低でも一人3000円以上の出費が伴うのである。「たかが豆腐に3000円も出せるか!」と文句を言う方もいるだろうし、確かに肉や魚なしでこの価格なら高く感じる方もいるだろう。そういう人たちを「風情のわからない野暮なヤツ」だと否定するのはたやすいが、実際にランチで3000円を越えるのはやはり高い。貧乏な学生の旅行者なら二の足を踏む価格である。
そういう方たちのために安く湯豆腐を提供してくれるのが、北野天満宮の門前にある「とようけ茶屋」である。ここではなんと1000円程度で湯豆腐が食えるのである。どうしてこんなに安いのかというと、ここは豆腐屋なのである。豆腐を製造・販売してる方が本業なのである。そういうわけで安いのである。しかし、その安さがあまりにも有名になってしまったために、店の前にはいつも長蛇の列ができている。食べたいと思っても2時間くらい待たされてしまうともはや空腹を通り越して湯豆腐なんかどうでもよくなるのである。北野天満宮の東側には数軒の湯豆腐を提供している店があるが、そっちはたいてい空いているのである。2時間も待つくらいなら値段が倍でもすぐに食える方がいいとオレは単純に思ってしまうのである。どうしてあんなにいつも並んでるのだろうかとオレは不思議に思うのだが、オレが知ってるのは休日の行列だけでありもしかしたら平日には空いているのかも知れない。もしもあなたが「とようけ茶屋」にアタックするならば平日に行ってみよう。
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01月26日(月)
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