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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■悪いのは母親かパチンコかどちらなんだ?
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 鍵を掛けられた団地の密室内で、0歳から4歳の3人の子どもが焼死したという痛ましい事故は、母親による育児放棄が主な原因だったことが判明した。オレはこのようなニュースが出るたびにいつも思うのだが、世の中には子どもが欲しくてもなかなか生まれず、不妊治療に通ったりお金をたくさん使ったり、体外授精によって出産したりと大変な苦労をして子どもを手に入れる親たちがいる。その一方でこんなふうに子どもの命を粗末にする親もいるわけである。どうしてこの世はこんなに理不尽なのだろうかと。読売新聞の記事を引用しよう。

松戸の3児死亡火災、母親は出火当時「実はパチンコ中」
 千葉県松戸市の常盤平団地4階で田之口舞さん(23)方が全焼し乳幼児3人が死亡した火災で、舞さんが出火当時の6日夕、パチンコ店に行っていたことが、松戸東署の調べでわかった。
 同署幹部によると、舞さんは当初、「午後3時半に家を出て、松戸市内の病院に行っていた」などと説明していたが、自宅近くのパチンコ店の防犯カメラに舞さんが映っていたことが判明。同署で改めて尋ねたところ、「6日は午前10時からパチンコに行き、午後2時40分に戻った。午後3時10分からまたパチンコに行ったが、言いたくなかった」と話した。家を出る際は、鍵を掛けていた。
 遺体で見つかった3人のうち、長男の翼(たすく)ちゃん(4)と長女の海美(うみ)ちゃん(6か月)の身元は確認された。(2009年1月7日22時35分 読売新聞)

 この記事には書かれていないが、母親は知人男性と二人でパチンコに出かけたらしい。そして、この知人男性とは同棲状態であるという。なぜ結婚しないのか、それは母子家庭であるという状況の方が生活保護を受けやすいからだという指摘があった。他紙の報道で「職業不詳」と書かれていたこの母親が仮に生活保護を受けていたのだとしたら、結婚していて収入のある男性と同居していると保護を打ち切られてしまうわけで、偽装母子家庭みたいな状態だったのかも知れない。ただ、そうやって公的扶助を受けてもそのゼニはパチンコ代に使われてしまう。オレは納税者の一人として、こういう人間がいることに激しい憤りを覚えるのである。生活保護を受けてる人間は少なくともそのゼニをギャンブルに使うべきじゃないだろう。そんなことに浪費するためにそのゼニは与えられているわけではなく、最低限の生活を営むために与えられてるのだから。その浪費によって何を切りつめるのか。子どもたちに満足な食事をさせてあげられるのかとオレは思うのだ。

 23歳ですでに子どもが3人いるこの女がそれまでどのような生活を送ってきたのか。それぞれの子どもの父親は誰なのか。やむにやまれぬ事情があったのかも知れないし、部外者には想像もつかないような不幸な境遇だったのかも知れない。しかし、3人の幼子を家に残して男とパチンコに行く。それもパチンコ店をはしごするような生活というのがまともな人間のすることだとは思えない。これは明らかに我が子への育児放棄であり、虐待と言われても仕方がないだろう。

 オレはパチンコというギャンブルを厳しく規制すべきだと常々訴えてきた。ところがパチンコ利権というのは警察と密接に関係し、パチンコの換金システムを支える組織には警察官OBが天下りするという仕組みになっていて、その結果このギャンブルは保護されてるのだという。しかし、パチンコによって多くの貧しい人間の勤労意欲が奪われ、またそのわずかな収入も奪われているというのも事実なのだ。パチンコ産業というのは貧しい人間をさらに貧しくする究極の収奪システムなのである。ところがこの業界から多くの政治献金が行われ、議員たちもまたパチンコ産業を支援している。社会党委員長だった土井たか子もパチンコを愛好する一人である。


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01月08日(木)
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