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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ロシア娘 金髪のアソコ
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 12月2日発売の週刊アサヒ芸能の表紙に印刷されていた見出しの中に、なんと「ロシア娘 金髪のアソコ」という文字があった。書店の店頭で雑誌を眺めていたオレはその文字を見て一瞬度肝を抜かれたのである。なんて卑猥な釣りコピーなんだ。そして世の中のスケベな男性諸氏にとってその雑誌を手にとって「金髪のアソコ」を確かめることはお約束の行動であり、別に自分が同様の行動をとったとしても特に批判を受けることはないだろうと思いつつも、オレは前後左右を確かめた。もしも周囲にオレを知ってる人間がいれば、オレがその雑誌を手に取ったことがバレてしまうからである。




 幸い、オレの前後左右には知らない人しかいなかった。それでオレは安心してその雑誌を手に取ったのだが、なんとオレが見たかった「金髪のアソコ」は袋とじのページになっていたのである。購入してその袋とじを破らないとオレは金髪のアソコを拝むことはできないのである。なんということだ。それにしてもなんて卑怯なんだ。もしもこの袋とじの中味にある「金髪のアソコ」が期待はずれのものであったとしても、それがわかったときはすでに雑誌を購入してゼニを払った後なのである。そこで「ゼニを返せ!」と抗議することはできないのである。そう思うと、その袋とじの中味を確認せずに雑誌を購入する行為はきわめてリスクの高い行為に思えたのである。

 オレはあきらめてその雑誌を目の前の棚に戻した。そして買うべきか買わざるべきかを考えた。見出しの中でもっとも大きな文字は「小泉毅はヒットマン」とあった。オレはあんまりあの事件に対して興味がない。「落合監督原ジャパン潰し全内幕」という記事もあったがこちらにも興味はない。「関根麻里と関根勤、父娘善哉24年」という記事にも全く興味はない。どうやらオレにとって気になるのは「金髪のアソコ」だけなのである。そのためにここでオレは大枚350円をはたくべきなのだろうか。

 そんなことを書くとすぐに「あんたは株式投資で数十万、数百万を動かしてる投資家じゃないか。たった350円くらいたいしたことないだろ!」と言われそうである。しかし、オレの日常生活というのはきわめて質素に営まれているのであり、1円でも安いガソリンを求めて情報を収集し、わざわざ5%引きの日を狙ってダイエーやジャスコに行くというせこい人間なのである。そんなオレにとって、この350円という出費は実にもったいなく思えたのである。そういうわけでオレは結局この雑誌を買わなかったのである。

 果たしてその「金髪のアソコ」というものは350円という大金を投じてまで見なければならないような価値があるものなのか。そもそも「アソコ」とはカラダのどの部位なのか。帰宅してからオレはちょっと気になってグーグルで「アソコ」という言葉を検索してみた。するとそこにはちょっとここでは書けないような文字がズラリと並んだのである。どうやら「アソコ」というのはかなりわいせつなものであることが判明した。調子に乗ったオレは「アソコ」「画像」というキーワードで検索を掛けてみた。するとたちまちそこには日本の法律で明らかに規制の対象であるような画像が表示されるWEBサイトがズラリと並んだのである。なんということだ。こんなものを見るためにオレは検索しているのじゃない。オレが知りたいのは「アソコ」という言葉の意味なのである。オレが見たいのはこんなグロテスクな画像なんかじゃない。もっと美しく夢のある世界である。それなのに画面には見るだけで目がつぶれてしまいそうな過激でわいせつなものが次々と出てくるのである。そんなものは見たくないのである。


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12月08日(月)
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