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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■五木村を元通りにしてください
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 「五木の子守歌」で有名な熊本県の五木村は、川辺川ダムの建設で水没するために住民が強制移転させられ、村を捨てた住民にはゼニがバラまかれた。しかし、そのダム計画そのものが白紙撤回される公算が強まった。ふるさとの村を捨ててしまった村人たちはどうすればいいのか。もらったゼニは返さないといけないのか。読売新聞のWEBサイトの記事を引用しよう。

川辺川ダム建設反対、熊本県知事が議会で表明
 国土交通省が熊本県相良村で計画する川辺川ダム建設について、蒲島郁夫・同県知事は11日の県議会本会議で、「現行の計画を白紙撤回し、ダムによらない治水対策を追求すべきだと判断した」と述べ、計画に反対する考えを表明した。国交省にダム中止を求める。
 計画発表から42年を経た大型ダム計画は、中止に追い込まれる可能性が高まった。
 知事は、ダムに代わる治水対策として、〈1〉市街地などの安全度を高める対策〈2〉生態系に影響を及ぼさない範囲内での河床掘削〈3〉遊水地の検討――などを国に求めていくとした。
 水没予定地を抱える五木村では、水没地域のほとんどの住民が移転を終えている。同村はダム建設を前提にした村の振興を計画していることから、知事自らが本部長となり、新たな振興計画の策定に取り組む。
 1997年に河川法が改正され、計画策定に際しては、知事らから意見を聞くことを河川管理者(国交省)に義務付けた。知事は策定手続きで「ダムは不要」と意見を述べることになる。
 ◆川辺川ダム=国交省が熊本県南部を流れる球磨川の支流・川辺川に建設を予定するアーチ式コンクリートダム。計画では堤高約107メートル、幅約300メートル、総貯水量は東京ドーム107杯分の1億3300万立方メートルで九州最大規模。1966年に治水専用で計画がスタートし、その後、利水、発電事業などが加わり多目的となったが、2007年、利水と発電が外れ、計画は休止状態となっている。総事業費は約3300億円。(2008年9月11日12時59分 読売新聞)

 昔はダム建設は発電が目的だった。映画「黒部の太陽」で有名な黒部第四ダムとかがその典型である。しかし、日本の電力供給の中心が原子力発電になってからは出力の小さな水力発電は建設費と比べて割に合わないものとなってしまい、ダム建設の目的は利水中心となった。しかし、工業用水としての需要が伸び悩み、せっかくダムを建設しても周辺自治体が水をほしがらないようになって、今度は治水目的になってしまった。50年に一度の洪水対策はやがて100年に一度になり、200年に一度とだんだん大風呂敷になっていき、その馬鹿げた想定のもとに意味のない巨大ダムが税金を浪費するための目的でどんどん造られ、建設工事のためにゼネコンが潤い、陣笠議員たちはそのイナカモンドリームの利権に群がったのである。

 もはや治水目的に新規にダムを建設する必要はなくなったのに、それでもこの利権を手放したくない連中はいろいろと理由をこじつけて新規にダムを造ろうしている。津軽ダムみたいに古いダムが堆砂で埋まったために計画された巨大ダムさえある。先に建設したダムが結局治水には役に立たなかったので、もっとでかいものを作れば役に立つと思ったのだろうか。あんな田舎に巨額の税金が投入されるアホらしさにオレはあきれるのだが、その数千億というゼニで多くの悪党どもの生活が潤うのでごり押しで計画は推進されていく。地元では反対する動きはほとんどないようだ。青森県知事もおそらくイナカモンドリームを支持してるのだろう。そんな馬鹿げたことに使われるのは、オレのように都市に住んでる人間が払った税金である。


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09月12日(金)
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