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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■インサイダー情報で儲けたのはいったい誰だ?
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 新興不動産のジョイント・コーポレーションは倒産寸前だった。熱海駅前のタワーマンションはなかなか売れず、京都駅南側の再開発事業は入居テナントが決まらず、清水建設は工事代金が振り込まれないので工事を中止、もはや倒産は時間の問題と誰もが思っていた。そのため株価も暴落し、2007年2月26日に5100円の高値をつけた株価は、8月はじめには300円を切り、その後もどんどん下がり続けて9月2日には152円、そして翌3日には大量の売り物が出てストップ安の102円に張り付いたのである。この暴落を見て誰もが近日中に破綻することを確信しただろう。オレもそう思った一人である。きっと破綻することを知った誰かが投げ売りしてるに違いない。すでに東証から空売り禁止の規制が入ってるこの株に200万株を超える売り注文が出ると言うことは、大株主が換金のために投げ売りしてるに違いないと誰もが感じたのである。

 その翌日、9月4日には82円で寄りつき、一時は80円まで下げたかがそこから謎の暴騰をして150円まで値を上げ、126円で引けた。出来高は1700万株を超えていた。誰が買い支えたのか。どうしてこんなに上げたのか。全く謎であった。そこからなぜか上昇を始め、9月5日は141円で引け、そして週明け9月8日はいきなり寄りつきから186(+45)円と上昇し、そのままストップ高の191円に張り付いて引けた。出来高は562万株。どうしてこんなに上げたのか全く不可解であった。確かにこの日、日経平均は大きく上昇した。しかし、ジョイント株は寄りつきからすでに高いところに張り付いていたのである。誰かがなりふり構わずに買い集めていたことは明らかである。そして、その日の取引が終わった後にこんなニュースが飛び込んできたのである。

オリックスがジョイントの増資引き受け 2008.9.8 20:50
 オリックスは8日、新興不動産のジョイント・コーポレーションが実施する約100億円の第三者割当増資を引き受けると発表した。オリックスは議決権ベースでジョイント株の約39%を保有する筆頭株主となり、代表取締役と非常勤取締役の2人を派遣する予定。さらに、新規プロジェクト用地などの取得資金として最大200億円の融資枠も設定する。
 ジョイントは、マンション市況の下落や金融機関の融資姿勢の厳格化で、経営環境が悪化しており、オリックスの経営支援で財務体質を強化し信用力を高めるのが狙いだ。
 8日記者会見したジョイント・コーポの東海林義信社長は「(今回の増資で)非常に厳しい環境の中でも機動的に物件取得などができるようになる」と、オリックスによる支援のメリットを強調した。
 ジョイントは平成21年3月期業績予想の下方修正も発表。連結最終損益は当初予想の58億円の黒字から320億円の赤字となる見込み。経営責任の明確化のため、役員賞与を全額返上し、取締役報酬も9月から10〜30%減額することも決めた。

 倒産懸念でこれまで暴落していたジョイント・コーポレーションは、オリックスの支援によってその不安がなくなったのである。また、300億円の支援を受けることで当面の資金的な問題も解決することになったのだ。この日発表された2008年4〜9月期の決算は黒字予想だったのが大赤字となり、下方修正も発表されたのだが、オリックスの支援という材料が評価されて夜間取引(PTS)ではストップ高である241円まで買われている。


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09月09日(火)
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