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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■女子中学生、ヒグマにキック!
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 北海道で一番ヒグマの多い場所は知床半島だという。その知床半島にはいくつかのキャンプ場がある。もちろんキャンプ場だから安全と言うことはない。そこにもヒグマはやってくるのだ。もしもテントごと襲われたらどうしたらいいのか。そのような事態の場合にどうやって対処すべきなのか、それを教えてくれた女子中学生が居る。アサヒコムの記事を引用しよう。

女子中学生、テント押すヒグマ撃退 妹と思い蹴る、知床
 20日午前4時ごろ、北海道羅臼町にある羅臼温泉野営場にヒグマが現れ、北見市の女子中学生(12)らが寝ていたテントを襲った。ヒグマはテントを外から押し続け、中学生が内側からキックで応戦すると、ささやぶに逃げたという。テントは約50センチ裂けたが、中学生にけがはなかった。
 同町などによると、家族5人でキャンプに来た中学生は寝ぼけていて、テントを押すヒグマを妹(10)のいたずらと勘違い。手で押し返していたが、あまりにしつこいのでキックしたという。そばにいた母(40)の目には、テントのシートの向こうにヒグマの影が見えていたという。
 当時はテント二十数張りに約50人がおり、目撃者もいた。体重70キロ前後の若いヒグマとみられる。最初はシカの親子を追っていたが、においをかぐようなしぐさでテントに近づいたという。若いと人間の怖さを知らず、対処を誤れば非常に危険。町職員は「ヒグマだと思って大騒ぎしていれば危ないところだった」と話した。(神村正史)

 このヒグマは体重70キロ前後ということだからそれほど大きくない。柔道やレスリングをしていて体重が100キロくらいあるような男性なら、万一格闘になっても十分に勝てそうである。しかし、いくら若いヒグマでも女子中学生の手に負える相手ではないだろう。そのヒグマがテントを押してきたのである。

 オレが大学のサイクリング部だった頃に読んだ合宿のレポートの中で、御岳キャンプ場に泊まっていたときにあるグループが牛に襲われたというくだりがあった。夜中に牛がテントをぐいぐい押してきたそうだ。そして外に置いてあった米がみんな食われてしまったという。しかし、テントが押されただけで済んでよかったと思うのである。もしも体重500キロ以上はあると思われる牛に踏みつぶされていたら合宿メンバーは全滅していたかも知れない。そもそもキャンプ場に牛が乱入してくるという時点で信じられない状況なんだが、テントの中にいるからと言って安全とは言えないのである。オレがこのヒグマ事件の記事を読んで真っ先に思い出したのはその話である。

 動物に囲まれると不安になる。その昔、オレは礼文林道を自転車で走っていて、牧場の真ん中を突っ切る時に牛の大群に囲まれてとてつもない恐怖を味わったことを思い出した。牛たちは「なんだこの変な人間は」と思ってオレの回りに寄ってきたのであるが、オレは一刻も早くその状況から逃れたかったのである。オレの進む道をふさごうとする牛をかわして必死で走り抜けたのである。砂利道をダッシュして牛の群れを振り切ったのである。あの巨体に体当たりされたらひとたまりもない。どうして道路に牛が居るんだ。危ないじゃないかとオレは一人で文句を言ったのである。

 体重70キロのヒグマのいたずらを「妹のいたずら」と幸福な勘違いをして、キックした女子中学生の無邪気な行動が、ヒグマをびっくりさせて追い払ったのである。ヒグマにしてみれば突如テントの中から自分を蹴ってきた相手に対して言いしれぬ恐怖を覚えたのかも知れないのだ。まさか相手が年端も行かないか弱い少女であるとは思わなかったのだろう。


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07月22日(火)
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