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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■わざわざ税金を使って環境を破壊すること
 オレは無駄なダム建設を推進する馬鹿官僚とか、沖縄の珊瑚礁の海を埋め立てて米軍に差し出そうとするクソ政治家とかは「国民の未来の幸福を破壊した罪」で死刑にするのが相当だと思っている。真の国益とは何か。そんな大切なことよりも私利私欲を優先するクソ野郎は断じて政治家にしてはならないし、そもそもそんな連中が簡単に当選するこの国の民主主義のレベルの低さにオレはいつもあきれているのである。そんな数々の馬鹿公共事業の中でももしかしたら最悪のものだったのかも知れないあの諫早湾干拓事業が、このたび「失敗百選」に選ばれたというニュースを読んだ。以下アサヒコムの記事を引用しよう。

諫早湾干拓、「失敗百選」に 文科省の外郭団体選定  2007年11月20日17時04分
 国営諫早湾干拓事業(長崎)は、科学技術分野の歴史で重要な事故・失敗例として、文部科学省の外郭団体の科学技術振興機構(JST)がまとめた「失敗百選」に選ばれている。JSTは、失敗から得られた知識や教訓を後世に生かすことを目的に「失敗知識データベース」を作成、インターネットで公開している。失敗百選は、そのなかでも特に「典型的な失敗例」とされる。
 諫早については「ノリを始めとする漁獲高の減少など、水産業振興の大きな妨げにもなっている」と干拓による漁業被害を挙げ、「走り出したら止まらない公共事業という国民的批判と不信を生み出した」と指摘。諫早湾を分断した干拓堤防や調整池からの排水、干潟の消失などが原因と分析している。
 さらに、将来のための教訓として、「国はある時期に実施決定した公共事業であっても、社会経済条件の変化について的確に再評価を行うべきである」とまとめた。
 こうした評価について、農水省諫早湾干拓事務所は「農業面や防災面では高い評価を受けている」と反論する。
 諫早のほかに失敗百選入りしたのは、タイタニック号の沈没(1912年)、日航ジャンボ機墜落事故(1985年)、スペースシャトル・コロンビア号の帰還失敗(2003年)など。
 JSTの前身は科学技術振興事業団。失敗知識データベースは、5人の大学教授でつくる推進委員会(委員長=畑村洋太郎・東大名誉教授)が取り上げる事例を決定し、その指示を受けて専門の研究者らが執筆する。1136件の概要や経過、原因、死傷者数、社会的影響などが記載され、昨年度は国内外から約450万回の閲覧があった。

 費用対効果ということを考えたとき、たかだかあんなわずかな面積の干潟を干拓して農地にしたところで得られるものはわずかである。そもそも農地面積を増やしたところで、一方で政府は国内農業が崩壊するような政策をこれまで続けてきたわけで、もしも真に農業振興を考えるならなぜこれまでしかるべき対策をとらなかったのかとオレは矛盾を指摘したい。たとえばミカンは最盛期には国内で300万トン収穫されていたのが今は100万トンを切るようになった。国民の果物離れはどんどん進んでいるのである。たまたまオレの父親は果物を売る職業に就いてるのでその惨状をオレはよく知る立場にあるのだが、果物をわざわざ買うのは年配の人が多く、若いカップルはもうほとんど買わないのだそうだ。食生活の変化と、果物を食べないライフスタイルが実は国内農業の崩壊に一役買っているのである。そんな状況をどの程度農水省は把握しているのか。農業を再生するのに大切なのは消費の拡大である。国内消費を拡大するにはどうすればいいのか。オレはこの日記で「中国の金持ちに売りつけろ」という主張を書いた。その理由はもう国内消費を増やすことは不可能だというあきらめもあったからである。

 諫早湾の干拓で生まれた農地でいったい何を作るのか。もっとも可能性が高いのはコメであるが、コメの国内消費量は年々減少している。いくらテレビでばかばかしい大食い番組をやったところで国民が大食いになるわけでもなく、実際にご飯を食べる量は減る一方なのである。いっそパンや麺類が今の数倍の値段になって、ざるそば2000円とかラーメン一杯3000円とかになれば、昼食におにぎりを食べる人が増えるかも知れないが、少なくとも今は年々国民はごはんを食わなくなっているのだ。消費拡大のための努力を全くしていないのに状況が変わるわけがないだろう。


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11月23日(金)
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