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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■新井貴浩、きみはカープの4番だ!
 広島カープの新井貴浩がFA宣言し、阪神が獲得に乗り出すと伝えられている。オレはこのニュースを大変複雑な気持ちで受け止めている。阪神に新井が来てくれれば大きな戦力アップとなることは確実だ。しかし、それでいいのかという疑問も残るのである。それは彼が今の広島で果たす役割を考えた場合である。4番打者はチームの顔である。エースと4番というのはチームにとっての聖域であり、決して侵してはならないものだとオレは思うのだ。他チームのそれを獲得するということは、選手を奪われる球団のファンにとってどれほど悔しいことだろうか。ファンにとって、絶対に失いたくない選手がいるのだ。そのことをわかっているからこそオレはこのニュースに対して複雑な気持ちになったのである。以下、アサヒコムから記事を引用する。

広島の新井FA、阪神入り濃厚2007年11月09日07時04分
広島の新井貴浩内野手(30)が8日、フリーエージェント(FA)の申請をしたことをうけ、阪神の球団幹部は同日、新井獲得に向けて契約条件の提示などの準備を始めることを明らかにした。新井は優勝争いのできる球団への移籍を希望しており、広島時代から慕っている金本も在籍することなどから、阪神移籍が濃厚となった。 新井は記者会見の冒頭から涙を流し、「カープが大好きです。つらいです」と広島への思いを語った。しかし、宣言を決断したことについて「自分を厳しい環境に置き、その中でどう変わっていくか挑戦する気持ちが出てきた」と説明した。
 阪神は右の長距離打者の獲得を目指しており、新井との交渉には、岡田監督が直接出馬する可能性もある。交渉は14日に解禁される。

 オレが物心ついて野球を観るようになった頃、巨人の4番といえば長嶋茂雄だった。阪神の4番は遠井吾郎、大洋の4番は松原誠だっただろうか。4番と言えばチームの顔であり、エースと並んでファンの精神的支柱だった。阪神に江夏豊が入団して三振を取りまくり、延長戦でノーヒットノーランを達成して自らホームランを打って勝った試合があった。そんな超人的なヒーローをオレはこよなく愛し、まさか江夏が阪神をトレードで出されるなんて夢にも思わなかった。オレが生涯一度阪神ファンをやめようかと思ったのは、江夏がトレードされたときだ。江夏のいない阪神など考えられなかったし、江夏がライバル球団で活躍することもまた想像できなかったのだ。その後いつまでたっても優勝できないタイガースをあざ笑うかのように江夏は優勝請負人として活躍し、最後は大リーグにも挑戦して野球人として最後まで燃え尽きた。江夏が阪神タイガース球団史上最高の投手であることを信じて疑わない私は、他球団に行った江夏を応援し続けた。広島と阪神の試合で江夏が登板したときは実に困った。阪神は勝ってほしいが、江夏を打ってほしくないというなんとも複雑な心境だったのだ。

近鉄がケガで不振に陥った石井浩郎を4番で使い続けたのはなぜか。それは単に成績以外の何かを彼が持っていたからである。1985年の優勝時、阪神が史上最強の打者であったバースではなく掛布雅之を4番に据えていたのはなぜか。掛布がファンからみてミスタータイガースと呼ばれる存在だったからである。4番というのはチーム生え抜きでなければならず、そうでなければチームの精神的支柱たり得ないというのがオレの持論である。星野監督が金本を4番にせずに3番で使い、4番に浜中を使おうとしたのもオレには頷ける。生え抜きの4番を育てたかったのだ。実際は浜中はそこまで育たなかったわけだが。


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11月10日(土)
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