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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■これは果たして誘拐事件なのか?
 家出をした少女をかくまった20歳の男性が「未成年者誘拐容疑」で逮捕された。まだ12歳の小学生をだまして誘い出して・・・という事件だと報道されてきたが、どうも違うようである。そして、これを果たして事件と呼ぶべきなのかとオレは思うようになったのである。
 
「お兄ちゃんは悪くない」誘拐の女児 聴取に口閉ざす 2007.10.14 18:31
長崎県諫早市の小学六年生の女児(12)が大阪市のマンションに8日間連れ込まれた事件で、女児はインターネットのブログで知り合った大阪市福島区玉川2丁目、会社員、坂本優介容疑者(20)=未成年者誘拐容疑で逮捕=に悩みを相談していたことが14日、長崎県警の調べで分かった。
 県警は同日、大阪で逮捕した坂本容疑者を諫早署に移送。女児から相談を受ける中で、家出を促した可能性もあるとみて、詳しい経緯を調べる。
 調べでは、女児は自身が開設したブログ上で今年7月から8月にかけて坂本容疑者と知り合い、漫画の感想などについてやりとり。その中で「寂しい」「周りが自分を分かってくれない」と悩みをつづっていた。
 女児は6日、貯金箱から約1万6000円を持ち出し「家出する。捜さないでください」と記した手紙を残して自宅を出た後、JR諫早駅で北九州市の小倉駅まで在来線の特急と新幹線を乗り継いで行く切符を買い、小倉駅で坂本容疑者と落ち合った。一緒にいる2人が駅構内のビデオに写っており、その後再び新幹線に乗り、坂本容疑者の自宅マンションに向かったとみられる。
 マンションにいる間、坂本容疑者は普段通り出勤し、女児は自由に部屋を出入りできる状態だった。13日に捜査員に保護された際、女児は「帰りたくない。お兄ちゃんは悪くない」と話し、長崎県警の調べにも口を閉ざしているという。

 この小学生の女の子はブログを開設し、そこで20歳の大人の男性と漫画の感想などをやりとりしていたとある。そこでどんなレベルのやりとりがあったのかはわからない。しかし、少なくともその男性が「自分の話をちゃんときいてくれる」「共通の話題で議論できる」相手だと感じたからこそ心を開き、助けを求めたのではないか。

 誰もがこう言うときに考えることは、いわゆる「ゲスの勘ぐり」というヤツで,20歳男性がロリコンだったから小学6年生の女の子を誘拐して自分の部屋に住ませたという類の想像である逮捕に至った理由も当然そうだろう。しかし、この女の子にはいつでも家に帰ることの出来る自由があった。それでもこの男性のマンションの部屋に居ることを望んだのである。そこが自分の居場所だと思ったのである。

 日常生活の中で疎外感を感じ、自分の居場所を求めていた少女にとって、その男性の部屋というのはやっと自分が見つけた安息の地ではなかったか。もちろんこういう見方はかなりその男性を好意的に捉えたモノであり、事実は異なってるのかも知れない。しかしオレがその少女の父親の立場なら、「娘をかどわかしやがってこの馬鹿野郎!」と怒鳴ることは出来ないと思うのである。そうやって家出したくなるほどの気持ちでいたことに気付いてやれなかったと自分の、親としてのふがいなさを責めると思うのだ。

 この事件にどんな決着が用意されてるのかオレにはわからない。しかし、そ
の少女が8歳年上の男性に対して抱いた感情が、今は相手を「お兄ちゃん」と呼ぶような気持ちであったとしても、もしかしたら将来は恋愛感情に代わっていくのかも知れず、あるいは今既にそうであるのかも知れず、だったらこれが事件にされたことで引き裂かれてしまうのがかわいそうでならないのである。
 この子はどんなブログを書いていたのだろう。小6にして自分専用に使えるノートパソコンを持ちブログを書いていたということから、家で虐待を受けていたとは考えられない。彼女の感じた疎外感の原因は何だったのか。

 犯罪被害者が加害者に対して好意を抱いてしまう状況を、精神医学の世界ではストックホルム症候群と呼ぶ。以下にその項目に関してウィキペディアからの引用を貼り付ける。


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10月15日(月)
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