ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18852063hit]
■今、日銀のすべきことは何か?
米サブプライムローンの破綻の影響から発生した世界同時株安の連鎖はとどまるところを知らない。円高も進行して8/16の英市場ではついに113円台に突入した。過度の円高によって輸出企業は大きなダメージを受けるだけではなく、この連鎖が止まらないということが大きいのである。さて、そこでどうすればいいのかだがこんなときこそ日頃役立たずの日銀に頑張ってもらいたいのである。過去最大規模の為替介入を行うのは今しかない。世界のあらゆる金融市場で一斉に円を売りまくって、この円高を食い止めるのだ。同時に大きく下げている株を買い支えて東証を安定させ、世界の投資家の目を向けさせないとダメだ。
オレはこの株安は近々終息すると見ている。その根拠は単純なんだが、今やアメリカの資本主義は「株本位制」とでも言うべき状況であり、株価下落はアメリカ人全体の資産の縮小を意味するわけで、サブプライムローンの問題そのものは昨年夏から話題になっていたが、それでも無理やりに株価を上昇させてバブルを発生させ、資産を膨張させることで国民を豊かにして消費を拡大するというのがアメリカの国策だったのである。あのイカサマ国家がそのまま資産を目減りさせることなど無いだろう。どこかで政府が介入して食い止めるはずだ。
そうして国策として株価バブルを発生させて国民を豊かにしてくれたアメリカと日本の違いは何か。今の日本が景気がいいと言いながらちっとも消費が伸びないのは、金利があまりにも低いために貯金してもほとんど利息が付かず、その利息分の消費が起きなかったからである。1400兆円の国民資産にちゃんと3%くらいの利息がつけば42兆円分の富が国民に還元されるわけだが、その利息が0.01%とすると1400億円しかないわけで、じゃあその分の富はどこへ行ったかというと企業がその分安い金利でゼニを借りることができたのだ。つまり低金利政策というのは国民から企業への富の移転でしかなかったのである。
実際、CANONのような労働者を虐待する大企業は派遣社員や契約社員の比率を高めて賃金水準を切り下げてきた。格差社会という実態は実は政府が財界と共謀して作り出したものである。バブル崩壊後の失われた10年から立ち直った日本企業は、リストラとコスト削減で労働者を犠牲にして業績を急回復したのだ。その結果国民は購買力を失い、自動車が売れないとか地方の地価がどんどん下がり、地方の駅前商店街が壊滅するとかいうことになってるのだ。ひたすら大企業を優遇した結果、そのような状況になることを予見できなかった政府自民党の先見の明のなさは仕方ないが、ゼニを儲けることしか考えず大企業の存在意義を理解していない経営者の責任でもある。企業が社会貢献ということを忘れていたからこうなってるのだ。
かつて終身雇用制が当たり前だった頃、ひとつの会社に入社するということは大きな家族に所属するようなものだった。そこにいればささやかながら家を持つことも、そして定年まで安心して暮らすことも出来た。クルマを持ち、年に何度か家族旅行するということも可能だった。高校や大学を出て正社員として就職するということは、そうした人生のレールに乗ることだったのだ。人間の能力には個人差がある。能力本位の競争社会の中で誰もが生き抜けるわけではない。終身雇用制は普通以下の能力しかないが真面目に働く人を救済するシステムだったのである。
国民がその資産のほとんどを預貯金で運用している日本という国家の特殊性を考えた場合、株本位制のアメリカが株価バブルで国民資産を増やしてるように、日本も金利バブルで国民資産を拡大させて富を増やせばよかったのである。ところが常に日本政府の政策は大企業の方しか向いていなかったのだ。
さて、もしも日本がアメリカのように国民資産を預貯金から株にシフトさせ、株本位制を実現したのなら今がいい機会である。「大きく下げた今がチャンス」「日銀が買い支えるからこれからどんどん上昇します」と国民を煽って一気に資産を預貯金や国債から株や投資信託にシフトさせ、今の株安を乗り切るのである。
[5]続きを読む
08月17日(金)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る