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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ハメこまれた人たち17(アーバンコーポレイション)
7月14日に200円で引けた株価は、7月28日に147(+8)と最後の上昇を見せた後は一度も前日比プラスで終わる日はなく下げ続け、8月8日には97円とついに100円を割り込んだ。7月22日にはゴールドマンサックス証券が10%の大量保有を報告しているがこれはおそらく空売り目的だったのだろう。他の不動産銘柄も外資が大量保有を報告しているものが多いが、どれもその後に悲惨なまでの暴落が起きている。
株価2ケタになって買いやすくなったせいか、出来高はまたしても急増して1億株を超えた。8月11日終値はストップ安の67(−30)円、出来高は1億2500万株、8月12日の出来高は実に2億1000万株、この日は63(−4)円で終わったのだが、なんと1200万株の新規空売りが発生し、株不足は2500万株となり日証金は新規空売り禁止の措置をとったのである。
8月13日、空売り禁止ということで寄りつきから株価は上昇した。67(+4)円で寄りついて、72(+9)円まで上昇した。この上昇に恐れをなした売り方の中には返済買いをするものが続出した。この日の返済買いは625万株発生している。また大量の株不足のために逆日歩(空売りをしている者が支払う借り株料)が高騰してなんと9円もついたのである。(空売りをして火曜日から水曜日に持ち越した場合は、逆日歩は3日分つくのでこの場合は3円×3=9円である)8月12日の安値58円で空売りした者の中には、逆日歩の9円を支払った上に翌13日の高値72円で返済させられて一株につき23円分もマイナスになった者もいたかも知れない。この逆日歩、信用取引で買ってる者は逆に受け取れるのである。それを狙ってなんと8月13日には563万株もの新規の信用買いが発生したのである。この日の引け後にあった発表を見て、返済させられた売り方は地団駄踏んで悔しがっただろうし、信用取引で買ってしまった人は呆然として言葉をなくしただろう。多くの者が予想した結末は、意外に早くやってきたのである。アーバンはお盆にアボーンしたのである。日経新聞の記事を引用しよう。
アーバンコーポ、民事再生法を申請 負債2558億円で08年最大
東証1部上場の不動産会社、アーバンコーポレイションは13日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、同日受理されたと発表した。負債総額は2558億3200万円で上場企業では今年最大。主に外資系ファンドから資金を調達して分譲マンションやオフィスビルを開発、転売するビジネスモデルで急成長したが、不動産市況の低迷で経営環境が悪化。信用力が低下し資金繰りが行き詰まった。
同社は1990年5月に不動産仲介業を目的に設立し、その後、分譲マンション「アーバンビュー」シリーズで業容を拡大。オフィスビルや店舗、宅地など低収益の不動産資産を取得し、改修・改装して転売する「不動産流動化事業」で業績を急成長させた。
2008年3月期は連結売上高で2437億円、経常利益617億円、純利益で311億円を確保したものの日本格付研究所(JCR)が、アーバンコーポレイションが過去に発行した公募普通社債の格付けを「トリプルBマイナス」から「ダブルBプラス」に1段階格下げ。信用不安が広がり、経営が行き詰まった。 (19:10)
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08月14日(木)
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