ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18827243hit]
■オレはSF作家になりたかった・・・
オレはなぜ作家になりたかったのだろう。それはただ単に「金持ちになりたい」「売れっ子になって女性にモテまくりたい」という極めてくだらない世俗的なことだった。金を稼ぐなら作家よりも投資の方が堅実で確実性がある。作家になれたとしても一発屋で終われば食べていけない。それなら正社員として安定した職業についている方が生涯収入ははるかに多いし、年金もたっぷりもらえる。
それでもオレは思うのだ。自分が作家になれなかったのは本気じゃなかったからだと。もしもそれ以外のことをすべて捨てて「作家になる」「モノ書きになる」それ一本に絞って必死になっていればその夢は可能だったかもしれない。しかし自分は何事にも中途半端だった。だから自分は何者にもなれずにこうして一介の教員として禄を食んでいるのである。
SFの世界もすっかり変わった。ラノベに多い「異世界転生モノ」を読んでもオレには理解不能である。かつて自分はエキストラとして『魔界転生』という映画に出演しているが、転生の意味が違うのである。小松左京さんも星新一さんももう亡くなってしまったが、オレに歴史SFの面白さを教えてくれた豊田有恒さんは最近まで島根県立大学で教えておられたということを知った。それなら聴講生になればよかったと少し後悔するのである。
オレが『イノコ』を登録している角川書店の「カクヨム」に投稿された多くの作品を読むと、もはや自分が時代についていけてない老人であることはよくわかる。
オレはこれからますます衰えていく脳と戦いながら、まだ読んでいないSF小説を追い求めるのだろうか。書店に行くと知らない作家が増えすぎていて途方に暮れるのである。
←1位を目指しています。
02月09日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る