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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■オレは橋下知事の私立高校無償化に反対する!
 公立高校の中でもより前者に近いところもあれば、私立高校の中でもより後者に近いところもある。それはおおむね入学試験の偏差値に関係する。入学試験の偏差値の低い公立高校ほど、後者の状況がより過激になっていくのである。もはやそこは学びの場というよりは、その年代の若者をただ一定時間収容しているだけの箱という状況になってしまう。授業中といえども誰も教師の話なんか聞いていないし、携帯メールやゲーム機の操作に忙しいのである。公立高校無償化という愚かな政策は、そういうクソみたいな連中の授業料さえも公費で面倒を見るという納税者を舐めた行為である。

 関西の私立高校の中には常にハイレベルの授業を提供し、京大や阪大への合格者を大量に出している高校もある。もちろん入学試験の偏差値も高い。私学だから授業料もそれなりに掛かる。公立高校と違って土曜日にも授業がある。偏差値65以上の生徒には、公立高校で学区内の最上位校に入学して難関校を目指すか、私立高校に入学して難関校への現役合格を目指すかという二つの選択肢がある。公立上位校に入るのに必要なのは学力であり、私立の上位校にはいるのに必要なのは学力+お金である。ただ、公立高校上位校の多くがこの20年間で過去の伝統をすっかり破壊され、有能な教師陣はやる気を失って私学や予備校に流れ、生徒たちはほとんどが塾や予備校に通って余計なゼニを使っているということを考えたとき、「お金」については差がないと言えるだろう。

 多くの私立高校は公立高校よりもよりよい教育を提供している。だから授業料が余分に掛かるのだ・・・というのはオレは自明の理であると思っていた。そのことに対して何の疑いも感じていなかったのだ。優れた商品が普通の商品よりも高価格なのが当たり前なように。

 しかし、橋下知事の今回の政策はその原則をぶちこわすものである。「私立高校に行きたい人は行って下さい。お金は大阪府が出しますから!」である。タダでいい教育が受けられるのだからいいじゃないかと単純に思ってはいけない。タダで手に入るということは、逆にその価値を失わせることなのだ。人はその品物を手に入れるのが困難だからこそ、高価だからこそ大切にするのである。モノの価値というのはその手に入れにくさと高価さによって守られているのだ。なぜ私立高校に通っている生徒は勉強に熱心なのか。それは親が高い授業料を負担していることを知っているからである。そのゼニを無駄にしないためには自分が必死で勉強して、現役で難関大学に入ることしかないとわかっているからである。年間で50万も60万も掛かる授業料を親が負担しているのに何も感じていない馬鹿は私立高校に入学すべきではない。

 もちろんそうした親の負担がなくなることは親たちにとっては望ましいことかも知れない。しかし、制度導入によって親の負担がなくなるのは子の努力の結果とは無関係なのだ。今回、橋下知事が導入しようとしている私立高校の無償化の対象校はすべての私学ではない。学力水準の高い私学だけというわけでもない。入学試験の偏差値が低く、生徒たちがろくに勉強などしないで入ってくるごく少数の私立高校もその対象なのである。そういう学校に入学してくる生徒というのは基本的に親が多くのゼニを払ってるということの意味も理解していないだろう。Fランク大学と言われる私立大学で講義の時間中に私語が絶えず、学生たちが携帯ゲーム機にうち興じている現状を想像すればいい。その高校版である。


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10月24日(日)
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