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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■待機児童をなくしてください
 日本中に保育所を20万人分増やすとする。子ども10人あたりに保育士が1人必要と考えれば1万人、そして24時間保育と考えればその3倍、ということで3万人というのはかなりおおざっぱな計算だが、仮に新規雇用される保育士が5万人と考えればかなり各施設に定員の余裕が生まれるだろう。そうすればミスマッチ、つまり自分の住んでる地域や便利な場所に空きがないとう事態がかなり防げるのではないか。

 5万人に年収400万円を保証するとすれば2000億円、これもたいした金額ではない。やってもおそらく全く効果はないとオレが考えている定額給付金2兆円なんかに比べてはるかに少ない金額で、はるかに働く人々の役に立つことができるのである。保育士の資格を持ってる人は世間にいくらでもいる。私立の幼稚園には若い女の先生が多いが、10年も働かないうちにどんどん入れ替わっていく。結婚する場合もあるが、長く勤められて給料が上がって欲しくないから早く退職するように仕向けてるのだろう。40代50代の女性で、保育士の資格を持つ方はかなりいるはずである。だから新規雇用するにしてもいくらでも人材は眠っていることになる。65歳以上の高齢者を保育士として雇用することができれば、定年退職後の再就職の場として活用できる。

 この政策のために必要な予算が5000〜6000億円ということになるわけだが、もしも実施すれば母子家庭で生活保護を受けている世帯の保護費を減額できる。年間3兆円近い保護費のうち、一割でも削減できるならこの予算の半分は捻出できることになる。そしてこの政策がもたらす経済効果はかなり大きなモノになるはずである。

 政府がこの政策を大々的に発表すれば、民間企業の中にはそれを大きなビジネスチャンスと見て参入してくるところがあるだろう。介護事業に力を入れている「ワタミ」なんかが全国チェーンの保育所経営に乗り出してくるかも知れない。競争が起きればサービスも向上するはずである。利用者の利益につながることは間違いない。麻生太郎の2兆円バラマキよりもよほど意味のある政策である。景気回復のためになりふり構わず何かをしなければならないときに、こんなアイデアをどうして政治家どもは思いつかないのだろうか。オレはそれが不思議なのである。きちっとした経済対策を行って不況から脱出させ、リストラされた派遣社員や失業者たちを救うことよりも、間近に迫ってきた選挙で自分がいかにして当選するか、つまり私利私欲のことしか考えていない連中が政治を動かしてるのである。国民にとってこれはなんと不幸なことなのだろうか。

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01月12日(月)
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