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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■おめでとう!東洋大箱根駅伝初V
明らかに「個人」の罪でありながら「連帯責任」という名の美名で全く無関係な者たちの長年の努力が水泡に帰したとして、ではその事件を起こした者に責任が取れるのだろうか。それこそ罪を償って死んだとしても、それによって事態が回復するわけでもない。事件を起こした者だけではなくその家族までもが針のむしろで暮らすことを余儀なくされるのである。
だからオレは東洋大が箱根駅伝の出場を辞退せずに済んだことに対しては率直によかったと思うし、無事に出られることになった部員はその喜びをかみしめて全力を出し切って欲しいと思った。しかし、この好成績を誰が予想しただろうか。再び産経新聞の記事である。
【箱根駅伝】東洋大、チーム一丸V 若手中心の布陣 2009.1.3 19:45
このニュースのトピックス:陸上
肩を組んで待ち受ける仲間のもとへと向かう東洋大アンカーの高見に思わず笑みが浮かんだ。そしてゴールテープが目に入ると、タスキを握りしめる。「全員の汗と気持ちを感じ、泣きそうになった」。出場67回目にして初の栄冠は、昨年12月に部員が逮捕され、チームの基礎を築いた川嶋伸次監督らが辞任するという衝撃をチーム一丸で乗り越えてつかんだまさに“汗の結晶”だった。
「無名の選手たちが結束して戦うことができた。(事件で)苦しかったが、選手が耐えて、力を発揮してくれた」とは佐藤監督代行。事件後、「走れることに感謝しよう」を合言葉に臨んだ選手らは、一列に並び深々とした一礼で、レースを締めくくった。
高校駅伝で活躍した選手はいない。「山登りの柏原が注目されたが、ウチのチームらしかったのは(復路)後半のつなぎ」と佐藤監督代行が語った通り、チーム一丸の走りが光った。
7区区間賞で、早大との差を詰めた飛坂が「もうちょっと後を楽させたかったが、最低限の仕事はできた」と話せば、8区でトップを奪い返した千葉も「勝負どころの後半で粘れた。自分の役割を何とか果たせた」。メンバーの誰もタスキをつなぐことに徹した。
そこには「流れと折れない心」を訴えた川嶋前監督の思いが確かに引き継がれていた。「柏原の頑張りで優勝が実感となり、みんながトップでつないでくれた。この思いを無駄にできないと思った」と高見。気持ちを一つにする大切さを知ったメンバーに、ルーキーの柏原が刺激を与えての栄冠。復路だけでも2年生が4人という布陣をみれば、この日が東洋大時代の幕開けとなるかもしれない。(金子昌世)
奇跡というのは本当に起きるのだろうか。4区までは9位だったのに山登りで5区の柏原がごぼう抜きしてまさかの往路優勝。それだけでもありえないような展開なのに、並み居る強豪校を抑えてなんと復路でも一時は失ったTOPの座を奪い返し、みごと優勝に輝いたのである。もしも東洋大をあっさりと出場辞退させていればこのドラマは起きなかったのである。しかし、もしも事件が起きなかったら東洋大は勝てただろうか。そんな不謹慎なこともオレは思うのだ。駅伝というメンタルな競技の中で、川嶋伸次監督の無念を晴らすために絶対に勝つんだという部員たちの強い意志が、この奇跡を起こしたのではないのか。オレはそんなことを想像してしまうのである。
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01月04日(日)
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