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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■景気はこれからどうなるのか?
アメリカ政府が財政支出をこうして増やし続ければ、その資金は米国債を発行して借金で賄うことになる。それをまた日本や中国は買わされるわけだが、ドルがじゃぶじゃぶ供給されればさらなるドル安につながるわけである。アメリカや欧州にとって今回の世界恐慌は「金融危機」という側面が強いのだが、日本にとってこの世界恐慌による円高は製造業を直撃するのだ。トヨタ自動車が下半期赤字決算になることがほぼ確実になったように、日本の基幹産業が大打撃を受けて利益を減らし、各社が減産体制に入って「守り」をかためだした結果、契約社員や派遣社員が大量に解雇された。企業はそれぞれ自己防衛しないといけないわけだが、その余波はいつも貧しい者に向かうのである。広島ではマツダが生産規模を縮小したために生活保護を申請する人が出ている。
個人投資家でもあるオレは、最近の株価が恣意的に乱高下する中で翻弄されている。たとえば金曜日の後場に「ビッグ3救済廃案」と聞いて自動車株を全力空売りした投資家は、おそらく月曜日には逃げることができずに踏み上げを食らって含み損で死ぬことになるだろう。方向が読めないので安易に手出しできないのだ。日本政府が企業のCPを買い取ることで資金を援助するという方針を発表したら、これまで業績悪化で沈んでいた不動産株が味噌もクソも上昇している。マンションが売れずに死にかけていた企業の株まで暴騰しているのである。だからといって買う気にはなれない。現実問題としてマンションは売れていないのだし、そうした新興不動産の企業にキャッシュを与えて延命させたとしても、やはり少子高齢化の流れの中で地価は下がるし、建てすぎたマンションは値下がりしてるからいずれは破綻する。景気動向に関して、オレは悲観的な見方しかできないのである。しかし株価はそんなものを無視して需給だけで動く。特に参加者の少ない今は一部の機関投資家や仕手筋によって思いも寄らない方向に動かされる。だから怖いのである。
日経平均はいずれ5000円くらいに下がるのかも知れないし、近々1万円台を回復するのかも知れない。それは全くわからない。高名なアナリストたちにもわからないのだろう。ただ確かなのは実体経済が恐ろしく崩壊しているということだけである。アメリカでは住宅ローンのデフォルトがこれからもどんどん増えるだろうし、クレジットカードの延滞率も上昇中である。想像もつかないペースで破滅が進んでいるのだ。あの大国はそんなことなんでもないようにイカサマを行って、徳政令で借金をみんなチャラにしてドルを刷って乗り切るのかも知れない。しかし日本はそのとき果たして無事でいられるだろうか。これから世界はどんな方向に進んでいくのだろうか。
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12月13日(土)
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