ID:41506
江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
[18850444hit]

■コンビニで起きる惨劇
 埼玉の事件で万引き犯を蹴って死なせてしまった新井さんに対して、オレは深く同情する。たとえ126円のパンであっても、それを盗んだ上に出頭を拒否して座り込むオッサンに対して、蹴りたくなる気持ちもわからないではない。暴力は確かにいけない。しかし仮にこのオッサンが逮捕されたとして、126円のパンの窃盗でどれほどの罰を受けるのか。微罪のために起訴猶予になるのがオチだろう。ところが店側にしてみればたった126円のパンであってもそんなヤツは断じて許せないのである。その分を取り戻すためにはパンを10個売らないといけないのだ。

 個人経営のコンビニにとっては、万引きによる損害は死活問題である。それだけに窃盗犯を憎む気持ちはよくわかる。蹴った方も殺す気では蹴っていないだろう。シンナーや覚せい剤をやってると骨がもろくなって簡単に骨折するという話を聞いたことがある。この死亡した万引き犯は名前も出ていないが、51歳無職ということから考えて中年ニートの可能性がある。それに蹴られた後病院にも行かずに自力で立ち上がって居酒屋に行き、それから自宅に帰ってるのだ。まさか蹴った新井さんもそんなことになるとは夢にも思わなかっただろう。この事件で新井さんを責める人にオレは言いたい。そもそも原因を作ったのは誰なのか。万引きという行為が存在しなかったらこのような悲劇は起きなかったと。

 万引きした少年を追いかけたところ、その少年が電車にはねられて死に、その古本屋の店主が人殺し呼ばわりされた事件があった。電車と暴力、違いはあるがその両者は本質的に同じモノではないのか。万引きをするような人間はその結果自分の身の上に起きることに対してある程度覚悟を決めるべきではないか。自分の犯した罪をどうやってつぐなうのかということを。たった一度の窃盗という行為によって自分の社会的生命が抹殺され、取り返しの付かないことになるということを。

万引き犯を追跡して殺された上内健司さんは、とても正義感の強い人だったという。彼はおそらく、逃がすことによってこのクソガキどもはまた同じ犯罪を重ねることになる。彼らを正しい道に戻すには自分が絶対に捕まえないといけない・・・という使命感に燃えて彼らを追ったような気がしてならない。正義感の強い一人の若者の命が失われ、わずかな食料品の万引きを人殺しをしてまで行おうとする外道が生き残った。蹴り殺されないといけなかったのはこの外道少年どもだ。こんな連中こそ死刑だとオレは思う。こんなわずかな金額の商品を守って死んだなんて、上内健司さんの死はあまりにも空しい。そしてこのクソガキの親たちもおそらく、「追いかけて来なかったら刺さなかった」などとほざくのだろう。殺人の原因がその追跡であると。もしもそうなら、頼むから親もまとめてくたばってくれ。

 間違ってはいけないことは、どちらの事件も万引きがなかったら起こり得なかったことである。すべての発端は万引きという行為にあるのだ。それを忘れてはならない。我々が憎むべきは、万引きという呼び名でその行為があまりにも軽くゲームのように思われてる現状である。それは窃盗という名の犯罪であり、どんな形であっても抵抗した場合は強盗という大罪となる。そして強盗である以上、場合によっては店側の防衛行動によって殺されても文句は言えないとオレは考える。極端な話、万引き犯を後ろから高温になるレーザービームで照射する装置を店が取り付けたっていいとオレは思っている。それで打撃を与えて逃げ足を鈍らせるくらいはありだとオレは思うのだ。

 もう20年以上も前の事件だが、大阪府立磯島高校に盗みに入った少年を捕まえた警官がその少年を殴った結果少年が死亡し(シンナー中毒で骨がボロボロだったらしい)、その警官が懲戒免職になったということがあった。その少年の母親が「うちの息子が殺されるような悪いことをしたんですか!」と涙ながらに訴えたという。オレは母親よりもそんなことで殺人者になってしまった警官にむしろ同情するのだ。


[5]続きを読む

10月08日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る