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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■野球に誤審は付きものである
かつて阪急ブレーブスに山口高志という伝説の速球王がいた。彼はおそらく藤川球児よりもクルーンよりもはるかに速い球を投げたはずである。全盛期の王や長島でさえも「速すぎてボールが見えない」とあきれたという。しかし彼にはカーブが全然曲がらないことととんでもなくコントロールが悪いという欠点があった。きわどいところに投げられるようなコントロールなどないからど真ん中に速球をただ投げ込むしかなかったのだ。日本シリーズで先発した山口高志は一試合14四死球という記録を残している。しかし、彼は本当にそんなにコントロールが悪かったのだろうか。あまりに球が速すぎて見えなかったから主審はボールにしたのではないのか。「この投手はコントロールが悪い」という先入観がジャッジに影響しなかっただろうか。速すぎて打者に見えないほどの豪速球は主審にもちゃんと見えなかったのじゃないかとオレは思うのである。
あの高校野球の決勝戦、広陵高校は毎回のように走者を出して塁上を賑わせ、終始押し気味で試合を戦った。佐賀北にとってチャンスはあの8回裏だけしかなかった。そのワンチャンスで点が入りそうになったとき、「このまま0点で負けるのも可哀想だしこの球をボールと判定して佐賀北にも1点入れてやるか」という演出を審判が行ったなんてことなら広陵高校の監督が怒るのも当たり前だが、その誤審が発生したときにもしも「こんなことは野球にはよくあることさ」という余裕があればまた違った展開になったかも知れないと思うのである。
「この主審の判定はめちゃくちゃじゃ!」
「まあそう怒らずにまだ1点じゃ、そんなもんくれてやりゃあいいのじゃ」
捕手が投手をそうなだめる余裕があれば、落ち着いて次打者を打ち取ったかも知れないのである。その一球の判定にショックを受けて野村投手が平常心をなくしてしまったことが広陵高校の最大の敗因かも知れない。
野球をしている人なら誰でも、審判の技術に大きなばらつきがあることを知っている。中にはおまえの目は節穴かと怒鳴りつけたくなるようなひどいレベルの者までいる。プロ野球の世界でさえそうなのだ。それならもっと審判技術を磨けと言いたくなるわけだが、人間の能力に個人差がある以上それにも限界がある。大事なのは「誤審は野球に付きもの、それも含めて野球なのだ」という真理をちゃんと理解していることだ。
選手たちの言葉に出来ない思いを代弁してその誤審の抗議をした広陵高校の監督に対して高野連は厳重注意を行ったという。どうせなら高野連には「ええ、あれは誤審ですけど何か文句ありますか?」と開き直って欲しかったのである。
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08月28日(火)
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