ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4380534hit]
■高校選手権奈良大会準決勝 五條−生駒 香芝−一条
一条において2番は守備のエースナンバー。いい左センターバックがつけることが多いが、今年はレフティーのフォワードA梅景がつけている。エースナンバーは各校異なるが2番は珍しい。ゲーム前の紹介で放送設備が悪いこともあり、「2番がいない?」と驚いたがフォワードだった。
さて立ち上がり、一条がバックライン、時にはゴールキーパー平井も加わり後方で大きく回す。これに対し香芝は何とか前から追うが守備が連動してなくて奪いどころがない。また観る限り攻撃時にボールが集まり仕掛けられるH米田やスペースに走れるI中山は中心選手で「走れるだけ走って交代」という作戦を採りにくい。そのため一条はじっくり回し空いた中盤を使い丁寧にビルドアップ。香芝を振り回す。しかし香芝も中盤インサイドとサイドをバランスよく使い、立ち上がり互角である。一条は左サイドバック㉒片山が鋭く上がり変化をつける。これに対し香芝はG山岡が気を取られ、徐々に右から押し込まれる。14分、一条、左で細かくつないでG樋口の左クロスにI佐藤が5メートルのスタンディングヘッド、丁寧に逸らすが右に外れる。そして18分、一条ゴールキーパー@平井のロングフィードに香芝バックラインとゴールキーパーが互いに躊躇、バックラインはついていかず、ゴールキーパーは出ない裏に一条I佐藤が飛び出し難なくループを決めて先制。0−1。これは香芝痛恨のミスである。動揺が走るのが手に取るように分かった。非常に痛い。直後に一条A梅景が引いて左足ロングフィード、またしてもバックラインとゴールキーパーの間に落ち、走り込んだI佐藤ループ、今度は外す。超決定機。完全にまずい。26分、一条H山田の右クロスのファーにフリーで走り込んだJ松山決めて0−2。明らかに香芝は動揺・混乱している。この時点で思ったのは前半何とか耐えてくれ、このままだとショッキングなゲームで高校サッカーを追える選手も出る、ということだった。以降も一条はG樋口の左コーナーキックにファーにフリーで誰か飛び込むなどチャンスを作り、一方的に流れをつかむが、得点ならず前半は0−2で終了した。ハーフタイムが非常に重要になる。特に香芝にとって。
ハーフタイムで香芝はメンタルを立て直したらしく連係ミスはなくなったが、一条の流れは変わらない。いきなりI佐藤が右に現れてクロスにファーでJ松山フリーで現れて上に外す。超決定機。一条I佐藤は流れるし自らドリブル突破もあり捕まえにくい選手。おまけにポスト役のA梅景もただ前で張っているだけでなくポジションを入れ替え柔軟なスタイルだから一条のアタッカーはマークしづらい。一条の攻勢が続き、20分、たぶん㉒片山の左クロスにニアにJ松山飛び込み浮かせて決める。0−3。これで勝負はほぼ決まった。力では一条だし、流れも一条だ。高校生のメンタルだから分からない、というにはメンタル的にも香芝が苦しい。香芝F田中→E安井大生。63分、一条H山田→F岩本涼太。24分、香芝G山岡→M井手上僚兵。フォワードに入りI中山が右ハーフに。むろん前から追うためだ。一条㉒片山→R香取拓真。右サイドバックに入り、右のL西岡が左サイドバックに回る。71分、一条G樋口→P藤武樹。73分、一条L西岡→Q谷口凛太朗。78分、一条I佐藤→M山敷裕也。ロスタイム3分のラストプレー、一条右コーナーキックA梅景の左足に香芝オウンゴール。0−4。結局一条が大勝した。
香芝としては非常にショッキングな負け方だっただろう。僅差の勝負に持ち込める力はあったのに、みすから失点して崩れてしまった。観ている方もショッキングだった。一条はトータルで強いチーム。全国で勝てるスタイルだ。土台を築いた前田先生は偉大だったが、監督職を譲るということはなかなかできない。今年のチームはそれが上手くいっている印象だ。一方的な展開であまり触れられなかったが、B大谷とC要の両センターバックはノーミスだった。やはり一条はセンターバックがいい。
決勝について。昨年が五條が回し一条がタテに速いカウンターだったが今年は構図が逆になるだろう。五條はカウンターから単独で局面打開できるチーム。勝負は何とも言えない。
11月10日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る