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サッカー観戦日記
by T.K.
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■地域チャンピオンズリーグ決勝リーグ第1日 飛鳥−市原 福井−ジェイリース
福井は4−3−3。藤吉さんは優秀な育成コーチだが、勝負師としては足りない部分があると思っていて、それが今大会の不安点だった。自陣から丁寧なビルドアップで中盤をきっちり作り、完全に崩したいタイプ。地域リーグのチームだからプロと比べて技術的には落ちるしパススピードも遅いが、戦術面ではJユースと同等で身体能力もあり、何とかなっている。大柄なのはセンターバックだけだが、バランスの取れた体格の選手たちが丁寧にゲームを作る。だが、今大会は内容は一切問わない、結果がすべてである。こういう藤吉さんの勝負への甘さがどう出るか?
対するジェイリースははなから内容を一切問わない5バックでガチガチに守りたいチーム。5バックの番号が興味深い。真ん中の三枚、10番14番は明らかにアタッカーの番号だし、17番も立正大淞南の流れから近年はエースストライカーの番号という印象がある。9番はストライカーナンバーで7番は右ウイングナンバーである。かなり目を引くバックラインの番号である。
さて、ゲームは開始からすぐに動く。5分、福井、15番のスルーパスに13番が右に流れて受けて決める。1−0。8分、福井15番の右クロスに中で13番ヘッド。2−0。ここで福井はバランス重視でリスクを管理して行けばよかったのに、勝負に辛くなれないのが藤吉さんである。何も無能だとか言いたいわけではない。福井までくる監督というものにはどうしてもどこか欠けた点があり、完璧な人は来ないということだ。彼の場合にはあくまで理想家であって勝負に甘いというだけの話だ。チームビルディングには優れている。
で、ジェーリースが攻撃に傾くと、中盤でのカットが増え、ペースを握る。28分、ジェイリースのデザイン右コーナー10番のキックグラウンダーにニアでスルー、17番が蹴り込み2−1に。さらに36分、ジェイリース、左シュートがDFにあたったこぼれを19番蹴り込み2−2と追い付く。前半アディショナルタイムには9番のミドルを福井キーパーうっかりファンブルし、7番蹴り込み2−3。ジェイリースは両ウイングバックがガンガン上がる攻勢なのに福井はあまり手を打っていなかった。前半は2−3。

後半は再び福井が攻勢に出るが、ジェイリースはファウルを交えて耐える。やはりジェイリースは実践的な大人のチーム。しかし88分、10番が警告二枚で退場。そして後半アディショナルタイム、福井は放り込みで9番がPK獲得。これを自ら決めて3−3で引き分けた。

双方非常に人間臭いというか、拙いゲーム運びで劇的な展開になった。力そのものはジェイリースが上だったが、引き分けたことで、今大会が分からなくなった。

11月20日(水)
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