ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4371831hit]

■高校選手権島根県大会決勝 大社−明誠
大社は出雲市の高校。出雲市と言えばサンフレッチェ広島の下部組織だったサンフレッチェくにびき改めくにびきFCというしっかりした育成チームがあり、育てられる。長年島根県ナンバー2だった高校で、プリンスリーグに所属することもある。神楽しまね出身もいる。しかし県ナンバー2でも中体連出身者が複数いることに驚いた。

明誠は似た名前多数の高校だ。「明るく」「誠実」なのだから。野球漫画家あだち充のマンガにも登場しそうな名前だ。高校サッカーファンの立場からすれば藤枝明誠も浮かぶ。島根県の明誠高校は益田にある。益田のサッカー熱は知らない。県立サッカー場があることしか知らない。前所属チームもほぼ地元ではなくサッカー留学だ。

明らかに体格で大社が上回る。というより明誠は決勝進出にしては小柄すぎる。しかし明誠は身体の使い方をよく工夫している。それを象徴するのが大社のストッパーA石川C武信が潰しきれないことだ。また不器用でシンプルに蹴る。キャプテンのB栗原への依存度が高い。カバーできて競り勝ててロングボールの起点でもある。N野津はロングスロー担当。ボランチD松本が守備的、G坂田が攻撃的で両足使う意識がある?J星野がセットプレー担当。Q原は高さで圧勝。基本的には大社はロングボールを多用する。

明誠はF稲村はセットプレー担当。ゾーンの受け渡しに工夫があり、教えられている印象がある。しかしマークはルーズだ。ロングスローだけを買われて入っているようなK小谷のインパクトが凄い。L原田は速い。I池田はレフティ。エース。

大社ペースながら前半は0−0で終了。そしてハーフタイム、戦術の根幹に見えるセンターフォワード
Q原→R遠藤羚央 3年 171 出雲三中
N野津→E藤原伊吹 3年 169 くにびきFC

となる。R遠藤がそのままセンターフォワード。身体能力の高い選手。

スタイル自体は変わらない。後半13分、左コーナーF中林のキックにA石川ヘッドで1−0。16分、中央を崩してR遠藤が決めて2−0。20分、J星野の右クロスを明誠クリアしきれずI石川ヘッドで3−0。結局終始大社ペースで3−0で圧勝した。

大社について。全国での目標は初戦突破というあたりになるだろう。全国で戦うには前線も最終ラインもいささか頼りないので守備を仕込むことになりそう。鍛えられているし、全国の平均的な高校とは勝負になる。味方のミスをミスにしなかったB栗原のキャプテンシーに期待だ。

明誠について。島根県も2強以外は厳しいかもしれない。地元の選手で0−3ならまだしも、サッカー留学で完敗となると、島根県の人材がどの程度いるのか?

島根県のタレント不足を痛感した遠征だった。くにびきFC以外に育成のしっかりしたチームはあるのか?そもそもクラブチーム自体少ないのでは?この両校だけでなく、大会プログラム全体を読んで不安になる。自民党の失われた30年を通じて地方は疲弊している。人口ピラミッドも経済も。年々高校サッカーの地方もやせ細り、県ベスト4すら優勝校と大差があったりする。もちろん昔のベスト4よりははるかに強いのだが。この問題は不景気な内容になるのでスポーツエンタメ記事ばかり書くメディアも取り組んで記事にしてくれない。しかしながらサッカー界も不景気なのだ。

+++++++++++++++++++++++

帰りは松江駅でしじみラーメン食べた後、バスは席がないのでJR特急やくもで帰ることにした。があいにく指定席売り切れ(全車指定席)。やくもは車両が良くなったが、乗車定数が減った。そしてグリーン車を見たら残り1席。贅沢は敵だ!的な価値観で生きてきた人間にとっては相当葛藤があるが、帰られないのでは話にならない。泣く泣くグリーン車に座った。そりゃあいい席でしたが……。

11月08日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る