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サッカー観戦日記
by T.K.
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■滋賀国体(国スポ)準々決勝 鹿児島県−東京都
東京都はキーパー@高橋には圧倒的な素材感がある。まるで磨かれていないが、また高体連でキーパーコーチが入るかは知らないが、国体選抜で活動している間は指導を受けられたはずだ。左サイドバックD原田は何気ないパスが上手くクレバーで自ら持ち上がれる。右サイドバックA橋本は上がるスピードが速い。センターバック石村は守備の中心。鹿児島選抜FW陣にきっちり寄せてポストを許さず、高さで勝ち、隙を見せなかった。相方に比べれば若干マークが甘い気はしたが、国体レベルではまるで問題ない。相方のC草野も基本がしっかりしていて繋げるし、このセンターバックコンビは国体の段階では完璧に近い。ボランチE冨田はミスらしいミスもなく確実に回す。M伊藤はポジショニングがよく勝負パスも出せるが、前半は慎重。東京都について観戦ノートには「お上品にパスを回す」などと皮肉っぽいメモがあるが、回して翻弄すれば相手がバテるという計算があるのだろう。しかし国体は35分ハーフで、しかも交代自由の再出場アリというルールを忘れている感があった。なんというか、圧倒的強者の余裕というか。右ハーフN木下は逸材ぞろいの東京都の中でも目立つ存在。スピードとキレが圧倒的で、技術もずば抜けていてトリッキーで遊び心がある。わざわざヒールを使って交わしたり、創造性という点で相手がついてこられなかった。圧倒的な突破力。無責任に将来性を大きく書きたくなる。とにかくこの国体で観た最高のタレントだった。左ハーフのF中野もドリブラーで寄せ方も上手く、味方と上手く絡む。きっちりトライアングルを作って崩す。守備もいい。シャドーG舘美は運動量豊富にかき回す現代の北沢豪。1トップJ城はジュニア。ポストは鹿児島H川上に潰されたが、引いて受けてかき回す。恐らくポストプレーヤーというプレースタイルではなく、サッカー観、プレーの幅が広い。ただG舘美が2トップもできるスタイルじゃないので東京都の前線が停滞してしまった。城彰二さんとはスタイルが違う。まあ城さんはあの体格でスピードもないのに1トップやれたのは昔だったからで、J城はより柔軟なスタイル。
控えについても。H川村求(キュウ)は9(キュウ)番。リアルストライカータイプ。サイドハーフとしてはスピードを生かす。I梶山もジュニア。それも父そっくりのスタイルだ。半身でボールを隠し、キープして決定的なパスを狙う。古典的なトップ下のスタイルを現代化する作業のただなかなのだろう。上手い。L須田は左サイドバックに入った。レフティかはわからないが両足使えて守備が計算できる。O伊藤はポストプレーヤー。鹿児島県の大柄なH川上と肉弾戦で渡り合った。タレント豊富な東京都は肉弾戦でも鹿児島県と渡り合えるのだ。
試合は2分、鹿児島県がE外山の右ロングスローに中で競ってA愛川がヘッドでたたき込んだ。1−0。以降東京都が回し続けるが決定機はなく前半が終わった。しかし後半は東京都のシュートが増えて、そして69分、I梶山の浮き球パスをバックライン裏でH川村がヘッド。1−1に追いつく。結局試合は1−1で引き分け、PK戦になる。が、このPKも圧倒的に東京都が上手く、結局PK戦で東京都が次戦に進出した。
主審の三好柊真氏は二日前の1回戦はやや頼りなかったが、この日は素晴らしかった。育成年代の大会、特に国体は審判員の育成でもある。若い主審の成長は観ていてよかった。
なお、雨がつらくて第1試合で撤退した。
10月05日(日)
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