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サッカー観戦日記
by T.K.
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■近畿大会1回戦 和歌山北−近江兄弟社 高校総体大阪大会準決勝 関大一−興國 阪南大高−大阪桐蔭
関大一は「月まで走れよ」がキャッチフレーズ。ただ高校サッカーレベルではガムシャラに走るだけでなく、ポジショニングにも工夫がある。伝統を作ったベテラン監督が他界されて少し戦術に意識が行った。インサイドが武器で7番が右足フリーキック、10番が左足フリーキック担当でこの二人が同じ役割を担い攻撃のスイッチを握る。両サイドハーフはよく走る。行けるところまで行く方針が見て取れた。9番はサイドにも開き体を張って起点を作る。
興國はJリーガーを大量に育てた内野監督が勝ちにくいサッカーをするためか昨年途中に学校サイドに事実上解任されて、元Jリーガーの六車さんが後任に。内野先生のスタイルは技術重視というか偏重でドリブラー育成というもの。監督交代直後はハイブリッド効果が出ることがある。後任監督はたいてい「前任のこういう部分に自分の持ち味が加われば」という発言をする。しかし指導は足し算じゃないからすぐに前任の指導の効果は消える。六車さんの特徴はパスサッカーでパスの指導はともかく技術面が今後どうなるか?春にプリンスリーグ開幕戦を見た限りではイタリア式カウンターと思ったが、このゲームについては関大一がプリンスリーグレベルというか、少なくとも興國ほどの力がないためか、パスサッカーで興國が一方的に支配しているように見える。2CBで回し続け、キャプテン3番の高さ強さで相手の攻撃を潰し、5番の左足パスも冴え、一方的に押し込む。6番は文字通りボランチ(操縦かん)としてパスを振り続ける。ただ右の17番20番はピッチはいいのにトラップがしばしば乱れ、加速しない。右サイドバック10番はトラップがなかなかいいが、前がノッキングを起こし、上がれない。10番はドリブルもある。左のM樺山はスピードあるドリブルが持ち味。兄はJリーガー。左の11番が最大の武器でスペースがあろうがなかろうが突破してくる。関大一は右サイドのハードワークで対処していたが、基本的に興國の左サイドは二人で観なければ厳しい。興國はインテリオールがパスの起点になれず、パスサッカーとしては向上の余地がある。
さて後半4分、関大一12番が突っ込み、一度興國4番に倒されかけるが、構わず突進し、再度倒され、これはペナ内でPKになる。これを10番が左足で決めて関大一先制。12番の執念のドリブルだった。そして後半14分、試合中にもかかわらず私の席の奥に入ろうとする高校生がすぐ目前を横切った陰で興國が追いつき1−1とする。右クロスを決めたらしい。高校生は未熟だが、試合中のいいシーンに席に座ろうとしない配慮くらい、高校生ならできると思うぞ……。1−1で延長へ。
延長前半6分、興國は左クロスを大外で折り返し誰か蹴り込む。途中から入ったセンターフォワード9番かな?1−2。さらにカウンターから24番から9番に預けてトリッキーなポストで落とし24番が突っ込み流し込んで決める。1−3。結局興國が勝利して全国へ。
興國は全国でも狙って優勝できる力がある。ただいつも思うことだが、全国制覇というのは単に力だけではないのだ。大阪勢は力はあるのに長らく全国制覇できていない。つまり全国での暑さや連戦対策といった経験。なにより宿の使い方、宿での生活。浮かれたりせず日常ペースで戦えるか?勢いに乗れるか?いうまでもなく六車さんは高校サッカーの責任者としての経験が浅い。監督交代直後はどうしても色々な問題が起こる。そして興國自体全国経験に乏しい。大阪府の高校だって各校自体はそう多く全国に出るわけでもない。そういうマイナスファクターが興國には多すぎる。力そのものには問題がないのだから、とにかくうまく勢いに乗ることだ。そうすれば全国制覇は見えてくる。
さて、第一試合終了後レストランに向かった。そして延長だったから第2試合キックオフも30分遅れる前提でゆっくり食べて紅茶まで飲んだ。しかし実際には定時通りキックオフだったのだ。したがって大幅遅刻。幸い点は入ってなかった。
高校総体大阪大会準決勝
阪南大学高校−大阪桐蔭高校
6月8日 13時半 堺S1 ピッチ良 晴
阪南大高
十六十番
十四六番八番十三
三番四番五番二番
一番
大阪桐蔭
十番
十三十九七番三十
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06月08日(土)
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