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サッカー観戦日記
by T.K.
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■WEリーグ開幕戦 INAC神戸レオネッサー大宮アルディージャ・ベントス
さてバックからぐるっと回ってメインに着席する。ゾーン指定式である。チケット難だけあって観客数は多い。とりあえずスタグルを探すとカレーがあった。神戸らしさが欲しかったが、まあとりあえず買う。端っこなのに混んでくる。終了間際に知ったが4300人オーバーだった。最大収容可能数が5千人なので限界に近い。そしてファン層がいい。ミーハー層、ファミリー層、女性層、など、いわゆる緩いファンが多いのだ。ヨハン・クライフは「あなたのような天才に凡人の気持ちがわかるのか?」と問われて「私は自分より下手な選手としか接したことがないから誰よりも分かる」と答えたという。
私のようなマニアにも通じる話だ。接ずる人はほとんどが私よりヌルいファンだ。だからライト層の重要性は十分に理解している。日本のフットボール界はスタグル文化など、ヌルく観戦する文化を育て、繁栄した。ゆえに若いリーグには緩い客層こそ望ましい。そういう意味で理想的な客層だ。

やがてWEリーグのアンセムを作曲したtubeの春畑道哉さんのギター演奏が始まる。Jリーグのアンセムも作曲した人で、フットボール界とは縁がある。キックオフ時間の関係で、神戸の会場こそ真の「WEリーグ開幕戦」なのだ。センターサークル付近でパフォーマンスを見せ、火花も飛び散る。春畑さんのパフォーマンスが終わると岡島チェアの挨拶が始める。簡潔にメッセージを伝えたいい挨拶だった。やはり実務家として優秀な人なんだな、と思った。あとはもう少し発信力・カリスマ性があれば、と思う。

さてINACにばかり触れていたが、大宮アルディージャ・ベントスは新規チーム。寄せ集め感は否めないが、Jリーグと絡ませて発展を期待されているのだろう。むしろ独立系のチームは少ない。もとINACの鮫島や仲田、スタンボーには大きな拍手が寄せられた。鮫島が左サイドバック、仲田が左ハーフでスタメン。だが力の差は明らかでINACが右で作り左で崩し、3−5−2の左ウイングバック杉田の決定的パスでゴールやオウンゴールを誘発し、5−0と大量点を挙げた。ウイングバックという守備の負担が大きいポジションに攻撃力は高いが守備力はそれほどではない杉田を起用できるあたりに余裕を感じた。INAC全盛期の監督で女子を育てられる星川監督の存在も大きい。そしてWEリーグ参加を見送った育成の名門C大阪から移籍した高校生、浜野まいかの2ゴールと1相手オウンゴールの活躍で圧勝。浜野は試合後のインタビューでごく普通の高校生のようにたどたどしい受け答えで、インタビュー練習などプロ研修や新人研修ができないWEリーグの基盤の弱さが出てしまった。

なお試合前の挨拶後岡島チェアは即東京に向かい別会場でも挨拶し、すばらしい行動力を見せた。神戸が10時キックオフだからできた。

さてWEリーグの今後の流れを決めるのは1か月たってからだろう。ミーハーファンは残っているか?ファミリー層に包まれているか。今後もヌルいファン、女性ファンが支えているか。マニアの観るリーグとなっていたら苦しい。スタートは上々だ。この客層を維持してほしいと思う。

09月12日(日)
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