ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4378680hit]

■JFL 刈谷−X大分
ヴェルスパ大分は昨シーズンのJFLチャンピオンだが、100年構想クラブではなく、J3昇格はならなかった。まずは生年月日データを見てほしい。今が伸び盛り、という年齢層である。今季は100年構想クラブ認定を受け、ホームタウンを別府市に、他に日田市開催なども含め、名前通り温泉(スパ)のクラブとして優勝を目指す。が昨シーズン優勝に導いた須藤監督が退任し、やや完成度が落ちた感がある。チームとしては依然として自陣からショートパスを繋ぎ、綺麗に崩してゴールを狙うという少し前までのJFA推奨の王道のフットボール。しかしゴール前で決定的なヘッドを次々と外してしまう。とにかくシュートが枠内に飛ばない。とは言え一方的に支配するのでピンチはなく、カウンターも浴びない。I薮内の突破やL吉田の捌き、㉝前田のポストなど攻撃面で武器が多く、小学生時代に天才と思ったがフィジカルが伸びず、サイドバックになってからはかつてのファンタジスタとしての煌めきもなくなったD本多も正確な右クロスを入れる。㉚村田は刈谷の勝又を徹底的に潰す。あとはエースストライカーQ中村が決めるだけである。対する刈谷といえばサッカーの街のチームで、刈谷のチームは決まって白ユニに赤だすきで、FC刈谷も1stユニはそうなのだが、ホームゲームにも関わらず2ndユニを着ている。私は数年前、長野パルセイロのスタジアムのこけら落としに行ったのだが、そのときの2トップが㉗勝又とH佐藤だった。勝又はポストプレーヤー、佐藤は何でもできるトップ脇タイプだ。そのゲームでは佐藤がオーバーヘッドを決めた。ただし佐藤は奈良育英高校時代から気になっているのだが、何でもできるのに、「自分が決めてやる」という意識が足りない。奈良育英時代にも1学年上のエースストライカーにパスばかり出していた。U−16代表にも選ばれていたが、5番手で、アジアユース本大会では落選した。やはりシュート意欲、迫力に欠けるからだろう。㉕長谷川は左足の精度、特にフリーキックは脅威だが、正直セットプレーくらいしか得点の気配がない。勝又はあまりにボールが来ないので下がったりサイドに流れたりで、ますます「9番」のポジションが空白地帯になってしまう。刈谷の門田監督はまだ弱い時期のカマタマーレ讃岐ユース監督から、藤井学園寒川高校のコーチという経歴である。カマタマーレ讃岐時代のスタイルは知らないし、そもそも今のところ一度もカマタマーレ讃岐ユースを観たことがないが、寒川高校はフットサルで全国ベスト4経験があり、11人制サッカーでも観戦経験があるが、スキルフルで細かいプレーが得意なチームだ。しかし刈谷はガチガチに守って蹴り出すチーム。しかしシュートブロックに行けないなど、守備面でも寄せが甘く、攻撃もカウンターに行けないチーム。今シーズン全敗ながらも得失点差が悪くないが、少なくともこの日はX大分が外しているだけで、堅守という印象はなかった。まあ徐々に力をつけてJFLにとどまり、時間をかけて強くなるしかないか、という印象だ。そもそも昨秋の地域チャンピオンズリーグでも強いとは思えなかった。得失点差で栃木シティを蹴落としたが、栃木シティのほうが強いとしか思えなかった。先述としては3.5バックで㉔田中が攻撃時に上がるシステム。

試合は57分、Q中村が中でタメてG篠原に叩き、P藤本が裏で落ち着いて決めてX大分先制。セットプレーでL吉田に精度がイマイチなだけに、綺麗に崩すあたりがいかにもらしかった。72分には刈谷が2トップを下げてH佐藤がFWに上がるなど、プランを代えたが、相変わらず佐藤はシュートを打たない。決断というのは性格による部分が大きいから、なかなか難しい。結局0−1でV大分が勝利した。

公式記録

05月05日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る