ID:40506
サッカー観戦日記
by T.K.
[4378905hit]
■J2 京都−松本
今期の京都は4−3−3だ。プレー強度が高く攻守の切り替えが早い、フットボールにおいて最もベーシックな部分を重視したスタイルである。ベーシックゆえに高めにくい部分ではあるが、監督の指導力次第では真に強いチームが作れる。その肝は中盤インサイドの3人。特に右の福岡はフットボーラーにとって最も基本的な能力が高い。常に頭を働かせ、他の選手よりも早く攻守を素早く切り替え、ボールを受けたら素早く判断し、ゲームを組み立てチャンスを作るのだ。ポジション争いする選手に庄司や谷内田が考えられる。庄司は低く鋭く決定的なパスを出せるタイプだが、攻撃から守備の切り替えが遅く、守備の強度も低い。決して古いタイプのゲームメーカーじゃないが、トータルバランスに秀でた選手ではないのだ。何とか人は31歳からでも変われるところを見せてほしい。谷内田は帝京長岡で中3でレギュラーを取りトップ下でゴールを量産、高校1年で左ハーフ、2年で右ハーフ、3年でドイスボランチという、おそらく谷口先生が育成のために様々なポジションを経験させ、幅広い選手に育ったが、それでもベーシックな能力は福岡ほどじゃない。まだ高卒2年目だし、必死に喰らい付いてほしい。高体連トップレベルとはいえ、Jユーストップレベルとはやはりやっているフットボールも育成ノウハウにも差がある。ボランチの川浮ヘ京都ユース出身2年目。やはりベーシックな能力が高い。松田は湘南で鍛えられ、戦術とのマッチングがいい。このインサイドの3枚は能力は高いが、まだ実績が足りないので1年間通じてのパフォーマンスは分からないが、期待できるのは確かだ。ただサイドでサイドバックと連携が合わず、お見合いしたり重なったりとミスは多かった。まあこれからだ。3トップは両ウイングが行けるところまでタテに仕掛けてラストはウタカに任せろ、というスタイル。テストマッチはセンターフォワードが李忠成で、行けるところまで行ってスタミナ切れたら交代、という印象だったし、ウタカはオフにcovid-19に罹ったので、テストマッチではまだ使える状態じゃなかった。が、公式戦でフルタイム使える段階まで来て、またチームとしてセンターフォワードの動き方も整理され、無駄にスタミナを消費しなかった。そして後半途中には右ウイングが中野克哉になる。彼は関西学生リーグで得点王になったこともあるレフティーの右ハーフだった。カットインシュートが得意。左が宮吉で、高校1年生でJリーグデビュー、プラチナ世代で早くから天才と騒がれ、得点感覚に優れたタイプである。つまり両ウイングが得点力があるタイプになり、後世に出る、守備陣は右センターバックのバイスは高さとパワー、そして読みに優れ、空中戦では負けないし。これでオランダ代表歴がないのだからオランダも大したものである。指示も出しているし、1対1では負けない安定感がある。そして相方の本多は身体能力が高いながらも上背がなく、守備技術と思い切った飛び込み、そしてバイスのフォローで能力をフルに発揮しているよう見見える。2センターバックが堅いのでサイドバックが上がれて、飯田はタテにスピードを活かし、萩原は正確な左足が活きる。フリーキックも担当。GK若原には絶対的な安定感がある。昨年はバイスとウタカへの依存度が高かったが、今年は二人の能力をもってしても11分の2である。スタメン全員が強力に見えるということはチームが機能しているということでもある。
フットボールは1,2試合観ただけでは分からない?正論だし同意する。ただ期待できるチームということは断言できるし、少なくとも大崩れはするまい。ここ2年、優秀な監督を1年で切るという愚かな真似をやってきたが、昨秋からの加藤久GMは優秀ということは断言できる。仮に昇格できなかったから、あるいはちょっと停滞したからクビ、みたいな愚かな決断はしないだろう。京セラの稲森会長は、チームが低迷したら加藤久さんに監督をさせるという愚かな真似をした実績があるが……。
とりあえず今シーズンはシンプルを突き詰めた戦術で、失点を迎えながら確実に勝ち点を積み上げるシーズンになるだろう。この日はスコアレスドローだったが、今シーズンは簡単に失点する気配がない。
[5]続きを読む
03月07日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る