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サッカー観戦日記
by T.K.
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■JFL 奈良クラブーヴェルスパ大分
さて、ゲームは双方理論派らしくバランスを保ち自陣から繋いでいく。ただ局面で戦っているのはヴェルスパ大分で、つまりディテールで優っている。球際に強いのも動き出しが早いのもヴェルスパ。奈良は中盤ダイヤモンド、というか80年代のように一人のストライカー、1人のウイング、1人のトップ下を置いた形である。林監督としては、最新理論のスタイルで行きたいのだろうが、古典を学んでこその最新理論というものだ。早々にヴェルスパが右を崩しクロスにファーポスト際にQ中村詰めて決める。0−1。これで奈良は1トップを断念。交代させ、フォアチェックを一気に強める。しかしアリバイディフェンス的というか、人には行ってるが、奪うような寄せ方ではなく、またヴェルスパの受け手がスッと動いても意識がアラートではなく、難なくマークを外す。つまり個々の意識レベルで甘いのだ。これでは理論がどうであれ厳しい。攻撃時はサイドバックが大きく絞ったり最前線に現れたりと面白いが、相手が引いてくれないとなかなか厳しいのではないか?私は当初林監督が「理屈倒れ」になるのでは?と心配した。経験が浅いし、監督経験もないし。勿論JFLは4部リーグ。これからステップアップしていく人が監督職に据えられる。がネット観戦した時にはなかなかの攻撃サッカーだと思った。今後の課題は繋いでくるチームへの守備「理論」ではなく、選手への局面の意識付けだろう。何度もテクニカルエリアで首を姫ったり、眉間を押さえるシーンが見られた。つまり「理屈では正しいはずなのに、何故上手くいかないんだろう」という感触か。トップ下E吉田大河の才能は輝くが、ボランチ㉓寺島が散らし2センターバックでビルドアップし、押し込む時間が長いので点は入るだろうが、失点の匂いもプンプンしていた。
これだと「低迷はしないだろうが、昇格は厳しい」という印象だ。逆に須藤さんのヴェルスパ大分は無茶苦茶楽しいです。須藤さんはそれこそ「理屈倒れ」タイプだったのが、現在では地に足のついた「理論派」になっている。選手の意識付け、素早い判断と集中力、攻守の切り替えなど常にアラートなのだ。個々の能力では奈良クラブだが、やるべきことが難しくなく整理され、選手が素早く判断できるヴェルスパ大分は優勝争いは無理でも、魅力的なフットボールを披露できている。正直ここまで強いとは思わなかった。前の週、ゲーム感覚を失った高校生のスーパープリンスリーグ関西を観ていただけに、「JFLは無敵なんだね」(原作マジンガーZ的)と思った。プロリーグ以外では最強リーグの看板に恥じない。フラットな中盤でヴェルスパはボランチI瓜生が番号に恥じない組み立てを見せ、2トップはパスコースを消すことを意識してカウンターを常に狙い、右サイドバックC西村は攻撃意識が高い一方で奈良クラブの左ウイングF菅野をよく見ている。前半は0−1で終了。あまりにゲームを満喫し、のめり込んでいた。
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09月05日(土)
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