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サッカー観戦日記
by T.K.
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■高校選手権奈良大会準決勝 五條−生駒 香芝−一条
両チームの特徴がアップ時から出ている。五條はドリブルからアップ。生駒は対面パスからアップ。つまり五條は徹底的にドリブルするチームで、関西では野洲や久御山、興國などが同系統のチームである。そもそも吉岡先生はドリブルで知られるディアブロッサ高田の故中瀬古先生の片腕だった。夏の全国高校総体奈良県代表。対する生駒は耳成高校時代時代にゴールキーパーとして全国に出た元Jリーガーの古田先生のチーム。正統派として後方で大きく回し丁寧に繋ぎ、相手る選手を使いピッチの幅をフルに活用するパスサッカーだ。更に香芝を都会的でスタイリッシュなショートパスサッカーで全国に導いた米原先生も昨年からコーチにいる。(注:情報をいただき米原先生が今年度より大阪の金光大阪高校へ転任されたとのこと。奈良の県立高校から大阪の私学ということは教師としての身分は不確実になりそうだが、それだけサッカーに賭けていらっしゃるのだろう)イマイチ壁を越えられなかった生駒がこれからどうなっていくか。得てして壁を超える時が一番きつい。力で無理やり超えるか、勢いに乗ってポンと超えるか。逆に名門校・強豪校というものはたとえ劣勢でも粘って勝機を見出すものである。双方中体連が多いのも特徴だ。つまり高校に入ってからきっちり育成している証左だろう。
さて試合はやはり予想通りの展開となった。五條H井澤は昨年の観戦記でも本山雅志に例えたが、技術と一瞬の加速、相手を見て逆を取るドリブルで密集を突破していく。身体はないがプロで見たい選手。G菅田もポストをこなしつつ本質的にはドリブラーで前を向けば仕掛けていく。F池田は失わない選手で相手を潰しつつタメを作り、小さくなりがちな五條にあって大きく展開し、空いたサイドを使う。J瀬羅は判断が素早く正確でしかも大胆だ。N吉田は詰める一歩目が早く、対人マークが得意だ。身長はあるがむしろ地上戦がいい。@中尾は後方から声で統率。五條のイメージから来る繋ぐタイプではなくて割と蹴ることが多いがキックが伸びる。
対する生駒でまず目を引くのが左サイドバックC丸山で五條H井澤に対峙するから守備の意識が高いのだが守→攻に切り替わった途端素早い判断で上がりタッチライン際を駆け上がる。この頭の回転の速さ、運動量は素晴らしい。対人守備では井澤に苦戦するがこれから良くなっていくだろう。他の選手と連動して守る戦術眼も素晴らしい。しかもまだ2年生だ。ゴールキーパー@巽は古田先生の指導もあってかほぼ完ぺきに見える。声出し、ハイボールの処理、ビルドアップ、ロングキック。上背がないのが惜しいが大学レベルまでなら十分やれそうに見える。D藤巻、A津田のセンターバックコンビの連動とビルドアップもいい。大きく開きゴールキーパー@巽とともに後方から丁寧に組み立てる。一方で前線は細かく鋭いパスに欠け、対人守備の得意な五條に止められてしまう。
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11月10日(日)
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