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Ship Building
by コーヒー
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■永遠の眠り
母の目が開きっぱなしになっているので、目薬を点眼。
3時間おきにオムツをチェックして、口腔ケアと水分補給。
チェックの合間に掃除、洗濯、食事を取って洗い物…母が頻回に起き上がらなくなって、皮肉にも時間とこころに余裕ができた。
(別記予定だから端折るけど、金曜から猫と父親の面倒は見ないことになった)

この日は選挙の日だった、今更余裕ができても、投票には行けない。
自宅のある街の役所に申請書を送って投票用紙を実家へ送ってもらわないと、実家から投票ができないからだ。
母の看病が片時も目を離せないくらいの状況下で日中はワンオペ介護、夜は薬でダウンしてるのに申請書をプリントアウトして郵便出す余裕なんてあるわけなく。
今回の選挙は諦めた。

22時半を過ぎて、選挙速報が流れる中、持病の薬を飲んでウトウトしていたら…弟が家へ飛び込んできた。
監視カメラに映る母の映像に違和感を感じたとのこと。
「…お母さん、息してない」
弟はすぐさま胸元に耳を当てたが、心音が聞こえないと言う。
お嫁さんが聴診器を持ち出して聴いてみたが、やはり心音がないとのこと。

母のいのちの火は、ウチらが少し目を離している間に、燃え尽きてしまっていた。

ほんの30分ほど前まで聞こえていた母の息遣いは決して静かではなく、ともすればしんどそうだったけれど、不思議と眉間にしわはなかった。
入れ歯を入れてあげると、そのまま目を覚まして起き上がってくれそうな顔だった。
しかし、トイレやオムツ替えの際に抱きかかえると温かかった身体は、もう冷えはじめていた。

22時57分、医師が死亡を確認した。
10月27日(日)
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