ID:30769
Ship Building
by コーヒー
[20093hit]

■冷静に分析してみよう
彼には、諦め癖があった。
どうせ言ってもきいてもらえない、とか思うと、あっさり諦めてしまう。
仕事が忙しくて逢えないときがあっても、さみしいとは思わず、仕方ない、と諦めるのだとか。
幼少時、運動の強化選手候補だったのに家庭の事情で転校となり、強化選手になるのを諦めざるを得なかったなどなど、自分の力ではどうにもならないことを多く体験した結果、諦め癖がついたようだ。
本音を口にすることが少ないのは上記の諦め癖に加えて、我慢を美徳としているフシがあるから。
幼少時から我慢を強いられる状況に置かれることが多かったのと、家が1200年続くお武家様の家系らしいので、おじいちゃんからも父親からもそう教え込まれてきたそうな。
細かいことや自分に興味がないことは一切気にならない性格だけれど、こだわりのポイントについては並々ならぬこだわりようで、他人の意見は一切参考にせず、己のセンスを信じて時間をかけて選ぶので、買い物で損することはないようだ。
これらを総合すると。
彼は、自分の性格を変えようという気がない、また頑固で相当わがままな一面を持っている、ということになる。
最後に逢った日も、自分のそういった性格については「そうそう変われないよ」と二言目に諦め口調で切り返してきたくらい。

僕も奇妙な我慢癖があって、自分では不条理耐性と呼んでいるのだけれど、多少の不条理は自己犠牲で耐え抜くという困ったところがある。
ストレスを感じながらも、自分に努力が足りないからだ、己を削るうちやがて報われていつか状況は好転する、と思いこんでしまう演歌体質。
さらには、持ち前の妄想力で幸せな未来を妄想し、自分自身に強烈な暗示をかけることができるので、普通ならキレるような不条理に対しても耐えてしまうことができる。
ただし、この状態になっていると、行動が極端になるため、周囲からはかなり異常に見える。今回もそういうところがあり、それが彼に息苦しい思いをさせた原因にもなっている。
実のところ、僕はこの欠点をなんとかして直したいんだけれど、なかなかうまくいかなくて毎度同じ失敗をしては苦しんでいる。この点においてはさっぱり成長しない。
彼から「そうそう変われないよ」というセリフをきいたときは、変わろうとして努力を積み上げても1ミクロンも変われないのと、簡単に変わるわけないしと諦めて変わる努力すらしないのでは天地の差だなと感じてしまった。

12年前、苦しむ僕を心配してくれた友人は、今回の件について
「成長っつっても、どうも歳食ったり経験積んだりしても人の根っこは変わらんみたいで、それをそのまま出さずに思考で抑制したり正しい事を選択したりするのが大人になったって事のようだ。
 自分が理想的な人間でなくても、そのようにあろうとするのであればとりあえずよしとすべきじゃないの」
と言っていたし、別の友人は、
「努力した分、今までとはどこか変わったところがあるはずだぜー。
 それが自分が変えようと思ってた場所じゃなくてもな!」
と言っていた。
復縁する機会があったとしても、彼に自分を変えようという気がないなら、長く続かないんじゃないかな。

うん、この調子でもっと情報を整理して、辛い気持ちを軽減できたら早く立ち直れるかもしれない。
08月06日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る