ID:30769
Ship Building
by コーヒー
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■痕
傷ついたものは。
泣きながら、叫びながら、深く刻み込まれたその痛みが癒えるまで耐える。
過去の記憶が蘇る度、治りかけた傷口が何度も開き、血が流れる。
それでも、生きていればいつか傷は癒えるから。
時間が、ゆっくりとその傷を癒していく。

傷つけたものは。
「他人を傷つけた」という罪の意識が残る。
負わせた傷が深ければ深いほど、罪の重さも重く、苦しいものとなる。
その罪を償うことなどできはしない、他の誰にも赦されることはないのだから。
いつか自分で自分を赦すその日まで、罪の十字架を背負い続ける。

片方だけが、苦しいわけではないのだ。
08月02日(火)
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