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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■この画は切り取れませんか
街の中心部に集まりつつある、
勤め人の流れ。
毎朝産まれる其の大きな流れの中に、
身体を錐の様に捻じ込む。
大河に逆らう小さな存在は、
世間の荒波に背を向け避ける様に、
映るのだろうか。
皆後ろを向けば、
綺麗な画を拝見出来るのに。
一瞬しか生を享けない奇跡の画を、
この目に焼き付けられるのに。
けれども。
振り向くな。
誰も振り向くな。
其の流れに身体を埋めながら、
願いつつある自分に気付く。
この流れは。
其処に貴女を含んで流れては、
居ないのだ。
虹。
光と水が空に描く、
奇跡の画。
目の前の虹は、
必ず貴女の住まう方角に出現する、
夢の架け橋だけれど。
其の画を同時に目にする距離に、
貴女は居ない。
其の画を共に歩く事が出来る程、
貴女は傍に居ない。
だからせめて。
俺の眼の中だけに残る、
虹で居て。
10月24日(金)
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