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雲間の朝日に想うこと
by 小坊主
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■喧嘩の種を贈るのですか
こんな事で言い争うのは止めようと、
こんな事で喧嘩をするのは止めようと。
今にも泣きそうな貴女が、
俺にそう言ったのは、
既に三月も前。
貴女の地に在る物と、
俺の地に在る物と。
確かに其処には、
大きな違いが存在するけれど。
冷静に状況を見つめ。
余りの滑稽さに、
場にそぐわぬ不謹慎な笑いを、
隠す事が出来なかった。
「円やかなんだよ?」
「知らないもん。」
「有名だって!」
「知らないもん。」
そんな物は認めないと、
お互い意地を張り。
「スープも付いて無いの?」
「スープなんて付くの?」
「残り湯で入れるんだよ!」
「お湯は捨てるもんでしょ?」
そんな方法は邪道だと、
お互い譲らない。
「だったら持って来てよ!」
「嫌だよ。」
「何でよっ!!」
「探知機通す時に見られるんだよ?」
「は?」
「空港の係員に『ヤキソバ?(笑)』とか言われるんだよ?」
高が即席麺の一種に此処まで興奮し、
不毛の議論を繰り返す。
言い返せぬ貴女は、
旗色の悪化した事を切っ掛けにして、
其の馬鹿さ加減に先んじて気が付いたんだ。
ほら見ろ。
「ぺヤングの方が美味しいかも。」
貴女の敗北宣言に、
勝ち誇って見たけれど。
「沢山贈ってね!」
負け惜しみを含んで。
矢継ぎ早に、
立て続けに、
強請る貴女の言葉に。
今更ながら、
鼈の様な貴女の執念深さを感じずには、
居られないんだ。
06月29日(日)
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